ニュースが分かる! Q&A 「子供のための家」から「自分たちのための家」へ 50代・60代の住み替えに変化の兆し
住宅新報 2026年6月16日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A

夫 50代や60代の住み替えが増えているらしいけれど、うちも子供が独立したし、そろそろ考える時期なのかな。
妻 リクルートの調査では、住み替えや建て替え、大規模リフォームなど住まいを見直した人が、50代では約1割、60代では4人に1人以上いたんですって。
夫 へえ。そんなに。何がきっかけなんだろう。
妻 都内湾岸部のマンションを売却して、夫婦で千葉県房総エリアの海が見えるマンションへ移るなんてケースもあるみたい。
夫 都心から離れるのは不便そうだけど。
妻 子供は独立したし、毎日通勤する必要もなくなったから、釣りや散歩を楽しめる環境を優先したそうよ。
夫 なるほど。昔は「職場に近いか」が最優先だったけど、今は違うのか。
妻 確かに「子供のための家から、自分たちのための家へ価値観が変わっている」といえそうね。
夫 だったら、郊外はどこも人気ということかい?
妻 そこは違うみたいね。郊外は二極化しているというのが実情らしいわ。
夫 二極化?
妻 人気が高いのは、流山市やつくば市のような、交通や買い物の利便性が高いエリア。もう一つは湘南や房総のように、海や自然、趣味を楽しめるエリアですって。
夫 都心から遠ければ良いわけではないのか。
妻 「どんな暮らしをしたいか」が先にあって、その結果として、そういう場所が選ばれているみたいね。
夫 うちは戸建てだけど、マンションへ移る人も多いのかな。
妻 首都圏はそういう動きが目立っているそうよ。
夫 やっぱり便利だから?
妻 それもあるし、病院やスーパーが近いこと、防犯面で安心なこと、庭の手入れや建物の維持管理が楽になることも理由みたい。
夫 確かに最近、庭木の手入れが大変になってきたな。そういえば、最近は平屋も人気らしいね。
妻 平屋はかなり増えているそうよ。特に50代や60代の注文住宅では平屋の割合が高かったんですって。築40年以上の大きな家を手放して平屋へ住み替えたなんてケースもあるみたいよ。
夫 へえ。何でだろう。
妻 階段がないし、掃除もしやすいわよ。何より「元気なうちに物を整理したかった」という声もあるのよ。
夫 確かに、二階はほとんど使っていないしな。いわば空間の「断捨離」みたいなことなのかな。
妻 単なるダウンサイジングじゃなくて、「好きなものだけに囲まれて暮らしたい」という動機もあるみたい。
夫 でも住んでいる街を離れたくない人もいるだろう。
妻 もちろん。そういう人はリノベーションを選ぶケースも多いんですって。
夫 〝住み替えだけが正解じゃない〟ってことか。
妻 そうね。これまでの友人関係もあるし、慣れた地域で暮らしたい人もいるわよ。調査でも、やはり大規模リフォームを行う人は、少なくなかったみたいよ。
夫 いろいろな事例があるみたいだけど、何か共通していることはあるのかい?
妻 「家を選んでいるようで、実は暮らし方を選んでいる」ということなんじゃないかしらね。
夫 暮らし方か。
妻 房総へ移った夫婦も、湘南を選んだ人たちも、平屋へ住み替えた夫婦も、みんな「どんな毎日を送りたいか」を考えた結果でしょう。
夫 確かに、昔は子供の学校や通勤時間を優先して住宅を選んでいたなあ。
妻 でも50代や60代になると、育児も通勤もそろそろ〝卒業〟という人も多いわよね。〝自分たち〟の時間をどう使うかが基準になる。今回の調査で住み替えた人の満足度が高かったというのも当然の結果ね。
夫 そう考えると、「家を住み替えるか」というより、「これからどう暮らしたいか」を考えることが先なんだな。
妻 これから団塊ジュニア世代が本格的に高齢化するけれど、こうした住まい選びはますます増えていきそうね。
夫 どんな人生を送りたいか、まずは夫婦で話し合ってみようか。
妻 住み替えか、今の家のリノベーションかは、きっとその答えで決まりそうね。






















