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大言小語 現実を見ることから

住宅新報 2026年6月16日 号 1面

連載: 大言小語

総合
大言小語 現実を見ることから

 日本人の出生数減少が止まらず、「過去最少を更新」が毎年恒例となり久しい。厚生労働省が6月3日に発表した人口動態統計月報年計(概数)によると、25年の日本人出生数は67.1万人で前年比約1.5万人減り、過去最少を更新した。想定よりも15年早い減少ペースだそうだが、これは社会保障・人口問題研究所の「中位推計」との比較であり、現実の出生数推移は「低位推計」のほうが近い。出生数減少への対策を考えるのであれば、そうした現実を直視することが不可欠だ。

 ▼今回の同省発表を受け、一般層の間でもSNSなどでコンパクトシティ化に言及する声が聞かれた。だが、大勢としてはまだ否定的な意見が多いようだ。従来の居住地や生活スタイルを変えさせられることに抵抗があり、行政は将来的にも過疎地の生活インフラを担保すべき、といった論調だ。気持ちは察するが、これも「現実を直視してはどうか」と言いそうになる。否応なく突きつけられる事実から目を背け続ければ、状況は加速度的に悪化するだろう。

 ▼とはいえ、偉そうなことを言えた義理はない。毎年の健康診断で突きつけられる不甲斐ない数字を直視するのは辛く、生活態度を改めるのも先送りにしてしまう。鏡を見るのも年々抵抗感が増す。「戦わなきゃ、現実と」とは、昔の育毛剤CMのコピーだったか。ともあれ、相手をしっかり見なければ、打ち勝つことはできないはずである。

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