不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編101 ~畑中学 取引実践ポイント~ 顧客から見て簡単で分かりやすい 「売買仲介の説明はAIの回答を参考に」
住宅新報 2026年6月9日 号 14面

今回で101回目。約4年間コラムを書かせていただいたが、最初の第1回目は「売買仲介に対する基本的な姿勢について」として、大きく3点、「必ず自分で確認すること」、「納得するまで確認すること」、「関係することはすべて確認すること」、この3点について書かせていただいた。どれも今でも売買仲介の基本の内容と言える。
ただ、ここまではこちら側の基本姿勢。その確認で得たものを、顧客に理解してもらうには、顧客から見て簡単で分かりやすい説明が必要となる。
参考とするのはAIだ。顧客と話をしていて感じるのは、不動産購入や売却に際してAIを利用して知識を得ている方が多い。自分で情報を検索して探すことなく、ある程度まとめて、頭が整理できるように情報を提供してくれるので、簡単で分かりやすいようだ。
AIの回答を見ると、大きく4項目の構成になっている。まずは最初に概要、続いて言葉の定義、3番目はメリット、最後はデメリットについて触れている。
顧客もこのAIの回答に日常的に触れているのであれば、私たちもそれに近い回答をした方が「分かりやすい」と感じてもらえるかもしれない。今後のAIの進化によっては、説明の仕方の基本となる可能性もあるだろう。
現時点では、AIは顧客が入力をしないと回答を得られないが、私たちの説明は、顧客に入力をしてもらわずともできる面、アドバンテージがある。顧客が思いつかない言葉、情報を提供できるのは私たち人間だけで、当面はその立場を生かしていくのが正解のように思う。
不動産業界では、不動産について、概要とメリットはよく説明をするが、言葉の定義とデメリットは説明をしないことも多い。
説明でよく出す言葉については、顧客と会った際に、分かるように、その定義(意味)を口頭で説明はしておきたい。うまく説明できない部分は書面を見せて補足する。
デメリットは顧客の売買意欲に直結する話なので、説明の方法が難しい。しかし、デメリットを説明しないと、顧客が「騙されているかも・・」と疑心暗鬼になるので、適度な情報提供は必要だ。今の顧客は、メリットとデメリットがあることは百も承知だ。
筆者の主観では、デメリットのみを説明すると、顧客に強く「問題がある」と意識させてしまうので、メリットよりデメリットが意識されやすいような気がする。そのため、例えば、駅近というメリットがある半面、喧噪な環境というデメリットもあります、とメリットと紐(ひも)づけてデメリットを説明した方が顧客の不安感を和らげるので、ベターなよう気がする。工夫が必要かもしれない。
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【プロフィール】
はたなか・おさむ 不動産コンサルタント/武蔵野不動産相談室(株)代表取締役。2008年より相続や債務に絡んだ不動産コンサルタントとして活動している。全宅連のキャリアパーソン講座、神奈川宅建ビジネススクール、宅建登録実務講習の講師などを務めた。著書には約8万部のロングセラーとなった『不動産の基本を学ぶ』(かんき出版)、『家を売る人買う人の手続きが分かる本』(同)、『不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など7冊。テキストは『全宅連キャリアパーソン講座テキスト』(建築資料研究社)など。






















