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彼方の空 住宅評論家 本多信博 ◇225 「コンサル仲介」ってなに? 報酬問題の本質へ 鍵は「感謝」の念

住宅新報 2026年5月19日 号 11面

連載: 彼方の空

総合
国交省不動産業課資料(25年2月)より

国交省不動産業課資料(25年2月)より

 何らかのコンサルティングを伴う仲介を「コンサル仲介」と呼ぶ。というより、仲介には何らかのコンサルティングを伴うのが普通だ。したがってコンサルと仲介は一連の業務で両者の間に明確な線を引くことはできないと思っていたが、そうではないようだ。

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 ある業界関係者(実務家)は、コンサルと仲介は分けることが可能だし、分けなければ利益相反になるという。

 国交省も同様の考えを示す。例えば「空き家をどうするか」という相談を受けた場合、空き家の発生から出口(流通・活用)までトータルで所有者をサポートする業務をコンサルティングと位置付ける。だがその先の売買(もしくは賃貸)の媒介業務も担ってしまうと利益相反を疑われやすい。

 結果的にコンサル報酬を媒介報酬とは別に受領することは難しくなる。したがって国交省は媒介業務と明確に分けなければコンサルティングの提供は不可能だとしている。

 しかし、媒介業務と分ければ報酬が得られるとは限らない。やはり実績と信用が必要だが、では実績と信用はどちらが先だろう。鶏と卵の関係に近い。その点、同じ専門職でも弁護士や税理士が報酬の受領に苦労したという話は聞かない。それは弁護士は弁護士法、税理士は税理士法によって、その職務が独占業務となっているからだ。法律に基づく業務というだけで〝信用〟は生まれる。あとは実績を積むだけだ。ところが、不動産コンサルティングは法律に基づく独占業務ではないから、誰もがやろうとすればやれる業務である。それでも独立した報酬が得られるようにならなければ、誰も難しいコンサルティングに挑む者はいなくなるだろう。ではどうすればいいのだろうか。

プロ集団という発想

 鶏と卵の関係から脱却する手立てはある。真の信頼できるコンサルのプロフェッショナル集団をつくることだ。

 コンサルを独占業務化する法律に代わって〝団体〟が会員の実力を保証し、もし所属する会員が依頼者に対して利益相反問題を起こした場合は団体が損失を補填(ほてん)する。そうした団体活動が成功し認知度を上げていけばコンサルティング業務に対する国民の信頼が定着し、助言業務に報酬を支払う土壌が醸成されていく。あとはどういう概念で報酬制度を確立していくかである。 

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 不動産コンサルに限らず独占業務ではない仕事で依頼者から報酬を得ている一般的例としては、期間を定めた顧問契約、報酬として定額を提示した業務委託契約、金額を定めず提供した役務に対する成果報酬(謝礼)などがある。従って不動産コンサルティングに対する報酬も基本的にはこの3タイプに収れんしていくものと思われる。ただ、コンサルティング報酬の本質は成果に応じてその謝礼として受け取る成果連動型であるべきと筆者は考える。

 だから成果に関係なく実際に行った作業内容や作業量に応じて報酬額を決めるコストアプローチ法はコンサルティング報酬にはなじまない。独占業務ではないだけに、具体的成果がなければ感謝の気持ちが生まれにくいからである。つまり「感謝の念」こそ、コンサル報酬の源泉となる。 その意味ではコンサルを伴う「コンサル仲介」もその報酬は「感謝」が源泉になる。にもかかわらず、それを単なる「仲介手数料」と言ってはばからない業界の感性はおかしい。なぜなら〝手数料〟という言葉には感謝の念がないからである。住民票の発行手数料やATMの振り込み手数料に感謝する人はいない。

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 ややうがった言い方をすれば、本来は感謝の意味をもつ媒介報酬を「手数料」と称して受領している業界慣習を改めることこそコンサル報酬確立の第一歩となる。なぜなら不動産業は媒介もコンサルも依頼者の利益を第一に考えて感謝されるところにその本質があるからである。

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