不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編99 ~畑中学 取引実践ポイント~ まず探す、掘る。最後は専門家に頼る「境界線が見当たらない場合の対応」
住宅新報 2026年5月12日 号 16面

探す、掘る、入れ直す、この3つが、境界標が見当たらない場合の対応方法となる。境界標を入れ直す作業は、土地家屋調査士等の専門家以外が行うとペナルティーがあるので、専門家でしかできない。しかし、探すと掘るはまずは自分で行うのが原則だ。
土地や土地建物の売却活動の際には、宅建業者も地籍測量図などを見ながら、境界点に境界標があるのかを、目視で確認をしていく。順当に境界標が見つかれば、問題はない。写真を撮っておき境界関係の資料や、後日の境界明示のために保存しておく。
一方で境界標が見当たらない場合は、冒頭の作業を行っていくことになる。土地を取得してからすぐの話ならともかく、ある程度の年数が経っていると、境界標は容易に見つからないことが多い。ただ、すぐ諦めるのではなく、時間をかけて探していく。
軍手とシャベルは持参する。軍手があれば手を汚さず、意識的に探すのを怠けずに済む。シャベルがあると土を払ったり、掘るときに便利だ。境界標関連の作業では必須だ。
まず探す。境界標はこの辺りにあるだろう、と目途をつけて探すのだが、想定外の場所にあることも多い。想定位置からずれていたり、塀の上や下に入り込んでいたりすることもある。もし、境界標がなければ、周辺を見渡してみて見よう。筆者の経験では、コンクリート製土台と金属製フェンスの境界塀があり、そのコンクリート製土台の上部に境界標が設置されていたことがある。しかも、その境界標は金属製で、見事に金属製フェンスと見た目が同化していたため、一瞬では気づかず、「あれ、境界標がないな……」と他の場所をずっと探していたこともあった。見つけづらい場所にあることも多いので注意をしたい。
次いで掘る。探しても見当たらない場合は、土や砂利に埋まっていたり、土や草が被っているケースもあるので、シャベルで掘ったり、払って見つけていこう。シャベルに力を入れ過ぎると、境界標を傷つけたり、取れたり、位置をずらしてしまうことがある。境界標がコンクリート製ではなく、金属製であれば、掘る作業には注意したい。一度、取れてしまったり、位置がずれてしまうと、専門家によって入れ直す作業が必要だ。
ここまで自力で行って見つからなければ、いよいよ土地家屋調査士等の専門家への依頼だ。探してもらい、見つかればそれで良し。ないようなら、境界標を入れ直してもらおう。専門家によるこの一連の作業は、その忙しさにもよるが、余裕を見て1カ月程度は時間を見ておきたい。作業は1~2週間程度で大丈夫だろう、と甘く見ていると痛い目に合うので注意しよう。
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【プロフィール】
はたなか・おさむ 不動産コンサルタント/武蔵野不動産相談室(株)代表取締役。
2008年より相続や債務に絡んだ不動産コンサルタントとして活動している。全宅連のキャリアパーソン講座、神奈川宅建ビジネススクール、宅建登録実務講習の講師などを務めた。著書には約8万部のロングセラーとなった『不動産の基本を学ぶ』(かんき出版)、『家を売る人買う人の手続きが分かる本』(同)、『不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など7冊。テキストは『全宅連キャリアパーソン講座テキスト』(建築資料研究社)など。






















