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プレミアム会員限定古民家宿の物語 日本全国リノベーション 134 柚子の家(下) 地域とつながる運営と、多様な滞在スタイル

住宅新報 2026年4月28日 号 11面

連載: 古民家宿の物語 日本全国リノベーション

総合
ダイニングでは、卓上囲炉裏でバーベキュー可能

ダイニングでは、卓上囲炉裏でバーベキュー可能

地域との関わりをつなぐ

 主な利用者は日本人の週末客で、家族や友人グループによる滞在が中心となる。人数は5~10名程度が多いが、3家族での利用や会社の研修など、大人数での滞在も目立つ。最大で30名規模の受け入れも可能であり、企業の研修や合宿利用にも対応している。

 庭と食卓にもバーベキュースペースが設けられており、利用者自身が食材を持ち込み、調理を楽しむスタイルを基本としている。あえて食事提供を行わないのは、運営効率の問題だけでなく、「地域全体を使ってほしい」という意図からだ。近隣のスーパーで食材を購入し、近くの温泉に立ち寄るなど、滞在者が地域を回遊する仕組みが自然と組み込まれている。

チェックイン対応を重視

 チェックインは、藤野倶楽部が運営するレストラン「百笑の台所」で行われる。ここで鍵の受け渡しを行い、宿までの道順についても丁寧に説明する。山間部ゆえにナビでは誤案内されることもあり、道を間違えないための事前案内は欠かせない。こうした一手間が、ゲストに安心感を与え、滞在への期待を高める役割も果たしている。

 一方で、この「対面での案内」は単なるアクセス補助にとどまらない。人と人との接点を生み出し、滞在の入口としての体験価値を高める役割も担っている。無人チェックインが主流となる中で、あえて手間をかける運営は、ゲストとの関係性を築く重要なプロセスとなっている。

農ある暮らし体験も可能

 更に、農業との連携も一部で継続されている。農業体験を目的とした宿泊や、海外からのボランティアスタッフとの交流など、農と人をつなぐ機能も持ち続けている。ただし、全ての宿泊者に農業体験を求めるわけではなく、あくまで「選択肢の一つ」として提供している。

 こうした運営の根底にあるのは、「東京近郊で、自然の中に身を置く体験をリーズナブルに提供したい」という考えである。藤野は都心から約1時間圏内でありながら、星空や静けさを感じられる環境を持つ。その価値を生かし、宿は地域とともに存在する拠点として機能している。

宿=柚子の家

住所=相模原市緑区牧野

ウリ=山奥の景観を都心からアクセス良好な藤野で満喫

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