ニュースが分かる! Q&A 住宅ローン、何が起きている? 崩れ始めた「低金利前提」
住宅新報 2026年4月21日 号 18面
連載: ニュースが分かる!Q&A

若手会社員 最近、住宅ローンの話をよく聞くんですけど、正直ちょっと不安で…。何が変わってきてるんですか。
上司 今は住宅ローンを巡る前提が変わり始めている。これまでは低金利が前提だったが、金利が上昇局面に入り、借り方そのものを考える必要が出てきた。ただ、それでも住宅購入の動き自体は続いている。
若手 前提が変わっているのに買う人はいるんですね。
上司 そこが難しいところだ。例えば、変動金利から固定金利への借り換えが増えている。フラット35への切り替えも目立つ。将来の金利上昇への不安を意識する人が増えているということだろう。
若手 でも、変動金利がまだ主流ですよね。
上司 そうだな。割合としては今も変動が多い。ただ中身は変わってきている。〝変動で問題ない〟というより、〝選択肢として変動を取る〟という判断に近い。固定にすると返済負担が重くなるため、バランスを見ながら選んでいる人が多い。
若手 なぜそんな状況になるんですか。
上司 一番大きいのは物件価格の上昇だ。固定金利で組むと返済額が厳しくなるケースが増えている。結果として、金利だけでなく借入条件全体を調整しながら成立させる動きになっている。
若手 実際に負担は増えているんですか。
上司 総額としては増えているケースが多い。物件価格の上昇に加え、借入額や借入期間も長くなっている。以前は30年前後が一般的だったが、より長期のローンも増えてきた。
若手 ペアローンの話もよく聞きます。
上司 共働き前提での借り入れは確かに増えている。世帯収入を合算して借りることで、購入できる物件の幅を広げている。ただ、その分、将来の収入環境も含めて考える必要はある。
若手 それってリスクはないんですか。
上司 大きなリスクというより、前提条件が増えているということだ。働き方や家族構成が変わる可能性もあるし、資金計画はより慎重に考える必要がある。最近は頭金を多めに入れる動きも見られる。
若手 少し余裕が少なくなっている感じですか。
上司 そうだな。〝借りられる額と返せる額は違う〟という話は以前からあるが、今はその差をより意識する局面に入っている。金利が上昇し始めたことで、その意識が強まっている。
若手 金融機関としてはどう見ているんですか。
上司 審査は従来通りしっかり行われているし、需要自体も大きくは落ちていない。申し込みも一定程度ある。ただ、市場が動いていることと、その状態が長く続くかは別の話だ。
若手 地域差はありますか。
上司 ある。例えば地方では、より長期の固定ローンを活用して価格上昇に対応するケースも見られる。地域ごとに選択肢の取り方は違っている。
若手 二拠点居住のような動きはどうですか。
上司 相談としてはまだ限定的だ。内容も別荘や将来の居住を見据えたものが多く、いわゆる多拠点生活とはやや異なる傾向だ。
若手 制度面での後押しはありますか。
上司 優遇制度はあるが、実務上の使い勝手はケースによる。制度があることと、実際に活用しやすいかは別に考える必要がある。
若手 今の住宅ローンはどんな状態なんでしょうか。
上司 金利、価格、借入条件といった要素を踏まえて、自分で選択していく局面に入っている。以前よりも判断材料が増えた分、借り方の考え方も変わってきている。
若手 これからどうなりますか。
上司 金利動向が大きなポイントになる。ただ、現時点では実需は維持されている。急激に変わるというより、徐々に環境が変化していくと見るのが自然だろう。
若手 同じローンでも性格が変わってきていますね。
上司 そうだな。以前は金利の低さが前提だったが、今は条件全体を見ながら選ぶ時代になっている。住宅ローンとの向き合い方が変わりつつあると言える。






















