不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編257 建物所有目的外の借地と借地借家法の関係は?
住宅新報 2026年4月21日 号 17面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解

Q.前回は、土地・建物ともに、その賃料の額が不相当となったときは、当事者がその増減請求をできるという借地借家法の強行規定についての説明がありました。
A.その通りです(借地借家法11条=地代等増減請求権、32条=借賃増減請求権)。したがって、土地・建物ともに、その賃貸借契約において、借主からの賃料の「減額請求」を禁ずる旨の特約をしたときは、その特約は強行規定違反として無効とされるという説明をしました。「無効」とされるということは、「定めなかった」ものとされるということです。
Q.では、例えば駐車場目的とか、ゴルフの練習場目的での土地の賃貸借の場合には、借地借家法の規定の適用はあるのでしょうか。
A.いずれのケースも、その土地の賃貸借契約において、「建物所有」を目的としないものであることが明確になっていれば、同法の適用はありません(最判平成25年1月22日)。しかし、同じ駐車場目的やゴルフ練習場目的での賃貸借であっても、その駐車場やゴルフ練習場を管理・運営するための「建物」を建てることが前提になっているのであれば、その部分については、先述した同法11条(地代等増減請求権)の規定の類推適用はあり得ると思います。なぜならば、先程の最高裁の判断の中で、「土地が建物の所有と関連するような態様で使用されていることもうかがわれない」と指摘していることからも、「建物所有」を目的としていない土地の賃貸借であっても、その土地が「建物所有」と関連する態様で使用されていれば、同法11条の規定の類推適用がされる余地があると判断できるからです。したがって、そのような用途での土地を仲介する場合には、その契約方法について最初から法律の専門家に入ってもらう必要があると思います。
Q.賃料の増減請求権行使の要件について伺います。
A.それは土地・建物とも同じで、1つは(1)租税・公課の増減、次に(2)土地建物の価格の上昇・低下等の経済変動、最後に(3)近傍類似の地代・家賃との比較において、現在の地代・家賃が不相当といえるかどうかで判断されます(最判昭和44年9月25日)。したがって、その判断においては、それらの(1)から(3)の要素が複合的に関連しているケースが多いと考えられます。
渡邊不動産取引法実務研究所 代表 渡邊 秀男






















