ニュースが分かる! Q&A 26年度TSUNAG認定が始動 実情踏まえ要件緩和へ
住宅新報 2026年4月14日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A

施主 お兄さん。今日は暑いし、そろそろ一度休憩を取りなさいな。
外構業者 これはご主人、どうもありがとうございます。それではお言葉に甘えまして、よいしょ。
施主 それにしても見事なもんだねえ。殺風景だったうちの庭が、こんなに緑豊かな空間になるなんて。
業者 草木や花々は、心も豊かにしてくれますからね。
施主 本当にそうだね。私はずいぶん昔、不動産開発の仕事に関わっていたんだが、当時は空間に緑を取り入れるという発想はあまりなかったなあ。街と空を四角く切り取った、灰色の建物ばかりだったような気がするよ。
業者 時代の要請ってものがありますから、仕方ないでしょう。逆に現代の都市・不動産開発では、国の方針や政策による後押しもあって、緑地の確保がとても重要視されているんですよ。我々も、都会の大きなビル開発での植栽整備に呼ばれる機会が増えたくらいです。
施主 そうなのかい、とても良い傾向だね。国の政策というと、具体的にはどんな動きがあるのかな。
業者 最近ですと、国土交通省の「TSUNAG(ツナグ)認定」が代表格だと思います。正式には、24年11月施行の改正都市緑地法に基づく「優良緑地確保計画認定制度」というのですが、民間事業者等による「良質な緑地確保」を国土交通大臣が評価・認定する制度です。主に、市街地再開発等の計画で、ビルや各種施設だけでなく一定以上の緑地空間を設ける取り組みが対象ですね。それこそ、都会の景観に人工物だけでなく、なるべく多くの自然を取り入れる狙いと言えます。
施主 なるほど。比較的新しい制度のようだけれど、ずいぶん詳しいね。さすがはプロだ。
業者 自分の仕事の需要に関わりますからね。この制度を始め、国は近年「まちづくりGX」という都市政策の考え方を重視しているのです。
施主 GXというのは?
業者 「グリーン・トランスフォーメーション」の意味で、言葉通りの「緑」や植栽に限らず、温室効果ガスの排出抑制や再生可能エネルギーへの転換等を総称した概念だそうです。
施主 化石燃料の問題は、最近特に深刻だものねえ。でも私の経験上、よほど大規模で予算の潤沢な事業ならばともかく、中小規模の都市開発では、なかなかまとまった量の植栽に空間と予算を割けないのではないかな。
業者 おっしゃる通りです。そこで国交省も、民間事業者の声も踏まえて早速「TSUNAG認定」の評価基準を見直しています。反映は27年度からですが、そのポイントと今年度申請の留意点等についての説明会を4月21日に開催するので、私も参考までに聞いておこうかと思っています。ちなみに今年度は、4~6月に事前相談を、7~8月に申請をそれぞれ受け付けて、審査を行った後の27年2月に認定を実施するというスケジュールですね。
施主 評価基準見直しか。とすると、基準や要件を緩和して、比較的規模の小さな事業も対象に加えていくイメージだな。
業者 そうですね。国交省によると、特に地方都市では緑地の面積要件を満たすことが難しかったようです。そこで、現行の「緑地面積1000m2以上」から、27年度は「同500m2以上」に緩和されます。また、植栽の日影による熱中症対策効果や、沿道緑化の取り組みについては評価項目としての重要性を高め、雨水活用は評価の基準を変更、緩和しています。
施主 行政にしては、と言っては失礼だが、緩和の対応が早いじゃあないか。
業者 新しいコンセプトの施策なので、当初から制度の運用と改善を並行して進める考えだったのではないでしょうか。なお、「雨水の貯留浸透」項目については、現行の「選択項目」から「必須項目」にしているので、ここは基準の引き上げと言えそうです。
施主 なるほど。いずれにせよ、今後の都市開発は緑化の取り組みが一つの柱となっていくのかもしれんな。大口の仕事が増えるかもしれないが、うちの庭の手入れも引き続き頼むよ。
業者 ええ、も、もちろん。
施主 少し不安になってきたなあ。緑を見て心を落ち着けようかな。






















