ニュースが分かる! Q&A 定借マンションは出口も魅力? 期限付きというメリット
住宅新報 2026年4月7日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A

不動産会社 最近の住宅新報には定借マンションとか定期借家権の記事が多いね。
記者 両方に共通しているのは〝終わり〟が決まっているということです。定期借地権は創設以来34年、定期借家権は26年が経ちますが、期限が来たら契約は終了という考え方がようやく認められ始めたということでしょうか。
不動産会社 なるほど。土地にしても家にしても借りたら返すという考え方が常識になると。普通借地権や借家権の法定更新や、貸主側に求められる正当事由制度はもう時代に合わなくなってきているということかな。
記者 借主は基本的に弱い立場だから、それでバランスを取ってきたというのがこれまででした。しかし、借りているほうが常に弱者だとは限らないのが今の社会です。
不動産会社 借地のほうはともかく、借家についてはやはり借りているほうが弱いという考え方は根強いのでは。
記者 いわゆる住宅弱者については、一般の市場原理とは別の社会保障政策で保護するという考え方が主流になってきていると思います。
不動産会社 ところで、定借マンションは〝2つの老い〟問題などマンションの老朽化対策という観点からも注目され始めたという記事が大きく載っていたけれど。
記者 昨年、定借マンションが売れている背景を取材したときに聞いた、あるディベロッパーの担当者の「最近のユーザーの中には、最後は解体して更地返還することが決まっている定借マンションのほうが、これからの時代には向いているのではないかと考える人たちが出始めている」というコメントが印象的でした。定借マンションの魅力を通常よりも価格が安いことだけではなく、出口戦略という観点からも見ている人たちがいるんだなと。
不動産会社 具体的にはどういうことだろうか。
記者 一般の分譲マンションの課題として、老朽化し始めたときに建て替えや一棟丸ごとリノベーションなどの重要な決議が円滑に進むかどうかという懸念があります。この4月から施行されている改正区分所有法では建て替え決議の要件が従来の「5分の4」以上から条件付きで「4分の3」以上となりましたが、それでもかなり高いハードルであることに変わりありません。決議されないまま老朽化が進むと最終的にはスラム化してしまうかもしれません。
不動産会社 その点、定借マンションは安心だと。そうはいっても、定借マンションでも途中の大規模修繕や建て替えの議論が起きる可能性があるのでは。
記者 大規模修繕は10数年に1度は必要と言われていますから当然ですが、こちらは過半数の議決権で可能ですから。条件付きで「4分の3」以上を必要とする一棟リノベーションや建て替えなどになると定借マンションでは現実的ではありません。というのも、近年は借地期間が70年余となっていますが、仮に築40年余で建て替えたとしてもあと30年しかありませんから。一棟リノベは今回の改正区分所有法で創設されましたが、要するに躯体は残しますが専有部分と共用部分の一体改修となりますので建て替えほどではないにしても相当の金額が必要になると思います。また、リノベ工事は専有部分にも入り込みますから一時退去または仮住まいが必要になります。
不動産会社 そうだとしても、定借マンションだから老朽化していかないという保証はないのでは。
記者 もちろんそうです。ただ、〝終わり〟が決まっている分、そこまでは寿命を維持していきましょうという居住者間の合意形成は図りやすいのではないかということです。定借マンションの中には建物の保全状況がよければ地主が無償で譲り受けることもできるという契約になっているケースもあります。その場合は借地人側の解体義務が免除されますから、住民間の利害が一致し、良い状態を維持していこうということになると思います。その点、一般の分譲マンションでは〝最後〟が決まっていませんから、いろいろな考え方をもった区分所有者が混在します。途中での住み替えを考える人、建て替えや一棟リノベで快適さを確保していきたいと考える人、老朽化してもお金は掛けたくないと考える人などです。合意形成はかなり難しい。
不動産会社 確かに定借マンション、見直される価値はあるね。






















