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不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編97 ~畑中学 取引実践ポイント~ 省エネ性能と耐震関連の書類重要 「中古戸建ての建物性能評価書の取得」

住宅新報 2026年4月7日 号 12面

連載: ~畑中学 取引実践ポイント~ 不動産ビジネス塾

総合
不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編97 ~畑中学 取引実践ポイント~ 省エネ性能と耐震関連の書類重要 「中古戸建ての建物性能評価書の取得」

 中古戸建ての売却依頼で、築年数が浅い建物なら、売主に建物の性能評価に関する書類を見せてもらおう。主に「認定通知書」、「住宅省エネルギー性能証明書」、「建設住宅性能評価書」といった(1)省エネルギー性能、(2)耐震性能に関する書類を確認する。(1)(2)の対象となる建物ならどの書類も、ディベロッパーや建設会社から売主へ交付されているはずだ。売主に「省エネルギーか耐震性能について何か書類をお持ちではないですか」と尋ね確認していこう。

 住宅性能表示制度が2000(平成12)年、ZEHの普及が16年、省エネルギー性能証明書の発行は22年、省エネルギー適合義務化されたのは25年からと覚えておくと、(1)省エネルギー性能関連書類の有無の、目星がつくかもしれない。

 書類が必要となる理由は2点。買主が、(1)省エネルギー性能関連書類は税控除、(2)耐震性能関連書類は地震保険割引で利用する際に、提出が必要となるからだ。どちらも金銭に直結する話なので、私たちが売主へ関連書類の確認を怠けていると、買主から詰められるので注意をしたい。

 住宅ローン控除は令和8(26)年度から既存住宅(中古住宅)も省エネ基準適合なら控除期間は13年間に拡大をした。一般の中古住宅なら控除期間10年、借入額2000万円までのため控除額は最大140万円だが、一方でZEH水準だとすれば控除期間13年、借入額3500万円までとなるので、最大約318万円の控除額となる。その差は約178万円も開くので、(1)省エネルギー性能関連書類は買主の金銭面で大きな意味を持ってくる。

 地震保険の割引も大きい。東京都の木造で、建物評価額1000万円程度だと年間当たり約3万5000円程度の保険料が掛かり、最長期間5年で約17万円の支払いとなる。買主も購入時は他に売買代金など大きな金銭を支払うので、そこまで気にしないが、5年後の保険更新時に「あれっ高い」と気づき割引方法を調べるようになる。(2)耐震性能関連書類で耐震等級3や免振建築物なら50%割引、耐震等級2なら30%引きとなる。さすがに3割から5割引となれば大きな金額差となる。必ず売主から取得しておこう。

 もし、関連書類が売主の手元にない場合はどうしたら良いか。(1)省エネルギー性能関連書類なら、売主からディベロッパー、建設会社、建築確認機関に連絡をして、有料となるが再発行してもらう。(2)耐震性能関連書類は、各損害保険会社に構造申告書があるので入手(無料)し、売主からディベロッパーか建設会社へ送って、対象となる耐震性能にチェックと署名捺印をもらおう。これらを売買契約前後に準備ができておくとベストだ。

   ◇  ◆  ◇

【プロフィール】

 はたなか・おさむ 不動産コンサルタント/武蔵野不動産相談室(株)代表取締役。2008年より相続や債務に絡んだ不動産コンサルタントとして活動している。全宅連のキャリアパーソン講座、神奈川宅建ビジネススクール、宅建登録実務講習の講師などを務めた。著書には約8万部のロングセラーとなった『不動産の基本を学ぶ』(かんき出版)、『家を売る人買う人の手続きが分かる本』(同)、『不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など7冊。テキストは『全宅連キャリアパーソン講座テキスト』(建築資料研究社)など。

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