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大言小語 効率化で遠回り

住宅新報 2026年4月7日 号 1面

連載: 大言小語

総合
大言小語 効率化で遠回り

 業務のデジタル化や効率化が進む中、資料共有や作業の簡略化など、日常業務の中でも恩恵を受ける場面は確実に増えてきた。その一方で、かえって非効率になったと感じる場面に直面することもある。年度末の慌ただしさの中で、その一端を実感した。

 ▼社内では情報共有や業務効率化のため、新たなツールが次々に導入されている。刷新された経費精算システムもその一つだ。操作説明を受け、ひと通り理解したつもりでいた。資料読み込みや自動計算などの機能も備わり、業務の省力化が期待される仕組みである。

 ▼しかし、自分で使ってみると、便利さは厄介さに早変わり。仕方なく手入力で申請したところ、自動計算機能での入力が前提だったらしく、差し戻しの憂き目を見た。締め切り前日の中、入力をやり直したものの、データの更新段階でまたも蹴つまずき、何かの手違いで内容が一瞬で消失。再び入力し直す羽目に陥った。

 ▼一連の作業に費やした時間を振り返ると、効率化という言葉の意味を改めて考えさせられる。新しい仕組みによって確かに業務が変わる一方で、その変化に適応する側の負担もまた存在する。デジタル化やDXは不可逆の流れであり、不動産業界でも取り組みは広がっているが、現場で使いこなされてこそ、価値が発揮されるはずだ。

 ▼利便性と実感の間にあるズレは、思いのほか小さくないのかもしれない。

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