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大言小語 エージェント制

住宅新報 2026年3月31日 号 1面

連載: 大言小語

総合
大言小語 エージェント制

 日本の不動産業界で言うエージェント制は営業担当者が会社の一員として動くだけでなく、より独立性の高い〝個人の代理人・専門家〟として顧客を支援する考え方を指すことが多い。ただ法令上の正式な制度名として一義的に定着しているわけではない。売主と買主で求める利益が違う間に立って伴走するような発想だ。担当者は依頼者の利益を重視して働くものだが、安く買いたい側と高く売りたい側のどちらかの利益を重視することは難しく、手数料収入を多くもらえる高値での売却に傾いていると感じる買主がいても不思議はない。

 ▼米国は両手仲介を禁止する州が珍しくない。不動産エージェントが依頼者の利益を重視して動くことを強調するためだ。日本は「顧客本位の仲介サービス」と「営業担当者の独立・歩合型の働き方」の意味が混じる。会社に所属する営業マンというより、『半独立型の仲介担当者』という意味でも使う。

 ▼新制度を導入する際に摩擦は生じるが、それが結果的に新たな成長につながるケースは多い。半面、機会の平等を与えずに参入障壁を作り出して旧態依然の組織が自らの優位性を守るような発想では成長は止まる。市場内での競争こそがより良いサービスを生み出し、機会の平等を与えた上で格差が生じるのは許容範囲だ。不動産業界はエージェント制の議論を深める時が来ている。まず定義を定め、ルールを作り上げることだ。

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