地価公示 業界コメント
住宅新報 2026年3月24日 号 3面

団体
「強い経済」構築の一翼
吉田淳一・不動産協会理事長 今後の地価動向は十分に注視していく必要がある。環境問題、自然災害対策、少子高齢化・人口減少問題など我が国が抱える課題は山積している。日本を強く、豊かにし、将来世代への責任を果たしていくために政官民の総力を挙げて社会課題の解決にも資する「積極投資」を拡大すると共に「強い経済」を構築する必要がある。不動産業界はその重要な一翼を担っている。
取得マインドに注視を
坂本久・全国宅地建物取引業協会連合会会長 住宅地では大都市圏のマンション需要が堅調で、商業地も地価上昇が続いている一方、住宅ローン金利や物価上昇が住宅取得マインドに与える影響について今後も注視していきたい。本会では、引き続き消費者の住宅取得に関わる各種税制特例の延長措置の要望活動を行っていくと共に、地域社会における宅地建物取引業の地位向上を目指していく。
地方圏は調整局面も
中村裕昌・全日本不動産協会理事長 都市部で生じた圏域差がより顕著になる様子がうかがえるため、今後、地方圏が調整局面を迎える端緒とも捉え得る。米国のイラン侵攻の行方によっては地価を押し下げる懸念がある。同時に建築費の更なる高騰も不可避な情勢。供給者側で事業地の選択と集中が働く結果、大都市圏の稀少エリアでは更なる地価高騰につながり二極化の拡大も予想される。
住宅循環システムの構築へ
遠藤靖・不動産流通経営協会理事長 地価の上昇基調が続き、堅調な住宅需要も継続している。地価の底堅い推移は、我が国経済を持続的な成長軌道に乗せる観点からも重要だ。当協会としても、新築住宅と既存住宅が互いに補完し合いながら厚みのある住宅流通市場を形成する住宅循環システムの構築への貢献に引き続き取り組んでいく。
開発大手
時代の転換点
植田俊・三井不動産社長 首都圏オフィス空室率は低水準で賃料は上昇し、住宅市場の好調さや活況なインバウンド等から商業・ホテルの需要が堅調であり、地価上昇に反映された。地方圏も半導体関連企業の進出が進む地域や、物流施設需要が高まる地域で地価が上昇。日本経済は緩やかな回復が続いており、物価高といった課題を乗り越え、成長型経済の軌道に乗るかという「時代の転換点」にある。
持続的価値創出へ
中島篤・三菱地所社長 金利上昇や国際情勢の不確実性、建設コストの上昇などはあるが、インフレ環境においては本質的な価値を有する都市や不動産が高く評価されているとも言える。当社としては丸の内をはじめ国内外プライムエリアで事業機会を得ている強みに甘んじることなく、ハード・ソフトの両面からまちの持続的な価値創出に取り組んでいく。
住宅価格上昇も一定需要
仁島浩順・住友不動産社長 東京のオフィスビルは空室率の低下と賃料の上昇が続いている。ホテルや商業店舗もインバウンド需要が一段と拡大。新築マンションの建築費及び土地代の上昇に伴い、販売価格の上昇が顕著になっているものの、利便性の高い地域を中心に一定の需要が保たれている。新築供給は年々減少し、中古の取引やリフォーム需要が拡大している。
しばらくは安定推移
星野浩明・東急不動産社長 主要都市でオフィスやマンション、店舗、ホテルなどの需要は堅調である。再開発事業が進展している地域では利便性の向上で来街者が増え、地価上昇が継続傾向にある。中長期的な不動産市場については、単身世帯の増加や空き家問題、「働き方改革」によるオフィス環境の変化等、市場を取り巻く環境の変化はあるものの、しばらく安定して推移するだろう。
株式市場の影響注視
松尾大作・野村不動産社長 分譲マンションは郊外の一部で売れ行きに鈍化が見られるが、都心部・準都心部の売れ行きが引き続き順調。ただ富裕層需要の高い都心は株式市場の影響を受けやすく注視が必要。オフィスは25年に東京で大型の新規供給が複数集中したが需要が上回った。建築費上昇による開発の中断や見直しとなる物件の増加で新規供給が先送りされていく。
上昇基調が継続
小澤克人・東京建物社長 再開発の進展でエリアの利便性やにぎわい向上への期待が高まっていることが背景だ。地政学的リスクや為替変動の影響、物価動向や人手不足問題など今後の景気への不安要素もあるが、経済活動が活発化し、原材料上昇分の製品価格転嫁や賃金の上昇などが進むことで、利便性の高いエリアを中心に、地価の上昇基調が継続するものと考える。
オフィス需要は堅調
伊達美和子・森トラスト社長 オフィス市場はプライムオフィスの需要が堅調に推移している。「赤坂トラストタワー」では、先進的なワークプレイス環境を求める企業からの引き合いが高まり、成約率97%超だ。一方、地方圏では、年間の訪日外国人観光客数および訪日外国人消費額の過去最高を更新、国内の旅行消費額の増加などを背景に、観光地周辺での商業地価の上昇基調が強まっている。






















