ニュースが分かる! Q&A ポータルサイト時代の部屋探し 検索条件の変化の背景は
住宅新報 2026年3月17日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A
記者A 住宅新報では先月、不動産ポータルサイトのデータを基に、住まい探しの検索条件の変化を取り上げていたな。
記者B 2月24日付1面の記事ですね。ポータルサイト各社の分析を見ると、検索条件の順位そのものは大きく変わっていません。ただ、コロナ禍で高まった需要が落ち着く中で、通勤利便性の再評価や設備ニーズの変化など、住まい探しの行動にはいくつかの変化が見られます。
A 条件自体はあまり変わっていないのか。
B はい。アットホームの調査は、2年前のものと比較しても、住まい探しの条件の順位や割合に大きな変化は見られませんでした。住まいの条件が急激に変わったというより、コロナ禍で一時的に高まったニーズが落ち着きつつある面があるとみられます。
A コロナ禍では在宅勤務の拡大などで、住まいの条件も変わったと言われていたな。
B そうですね。在宅時間の増加を背景に、ペットと暮らせる物件や防音性など、住戸内の環境を重視する条件が注目されました。ただ最近の調査では、こうした条件の順位はやや落ち着いています。通勤や通学の制限があった時期の特殊な需要が、徐々に通常の水準に戻りつつある可能性があります。
A 通勤や通学に関する条件はどうだろう。
B 通勤・通学の利便性は依然として重要です。アットホームの調査では「通学先・通勤先の近くに引っ越したい」という条件が順位を上げています。リモートワークの広がりで広さを重視する動きもありましたが、現在は通勤利便性を改めて重視する傾向も見られます。
A 設備面ではどうだろう。宅配ボックスなどはよく話題になるな。
B 共働き世帯の増加やEC(電子商取引)の利用拡大が背景とされています。宅配ボックスのほか、モニター付きインターホンやオートロックなど、防犯性や利便性に関する設備への関心も高まっていると指摘されています。防犯意識の高まりが設備ニーズにも影響している可能性があります。
A ポータルサイトの使い方にも変化があるのか。
B そうした指摘もあります。従来は家賃や駅距離、設備条件などを細かく入力して物件を絞り込む検索が主流でしたが、最近はAIによる提案型や診断型サービスへの関心も高まっています。ポータルサイト運営会社からは、情報量の増加により検索回数自体が減る「検索離れ」の傾向を指摘する声もあります。
A 条件で絞り込むだけでは物件を選びにくくなっているのか。
B そうですね。情報量が増えたことで、単に条件で物件を絞り込むだけでは選択が難しくなる場面もあります。そこで、利用者の生活スタイルや価値観に合わせて住まいを提案するようなサービスへの関心も高まっているとみられます。
A つまり検索条件のランキングだけでなく、住まい探しの行動自体も変化しているということだな。
B はい。条件や設備のニーズが急激に変わったわけではありませんが、コロナ禍の影響が落ち着く中で、通勤利便性の再評価や設備ニーズの変化など、住まい探しの動きにも変化が見られます。ポータルサイトのデータは、住まい探しの条件だけでなく、働き方や生活スタイルの変化を映し出す指標とも言えそうです。
























