ひと 自然とつながる暮らしを提供 セカンドホームサービスを手掛けるSANU代表取締役CEO 福島 弦さん
住宅新報 2026年3月17日 号 2面
連載: ひと

都市に暮らしながら自然にも拠点を持つ――そんな新しいライフスタイルの提案を掲げ、自然共生型のセカンドホームサービス「SANU 2nd Home」を2021年に開始した。「自然がもう一つの家になる」というコンセプトの下、都市生活者が森や海に囲まれた環境で過ごす時間を日常に取り込む仕組みづくりを進め、2拠点5棟で始まった事業は今や、全国35拠点231室を展開。累計利用者は延べ5万3537人に達した。「ホテルというよりも、自然の中で暮らす時間を提供するサービス」と位置付ける。
自然と向き合う発想の背景には、自身の原体験がある。北海道岩見沢市で生まれ育ち、幼い頃から雪山を駆け回るなど「自然の中で遊びながら育った」。ブランド・ディレクターの共同創業者・本間貴裕氏も福島県会津若松市の出身で「二人とも自然の中で育った〝野生児〟のような子供時代だった」。そんな幼少期の経験に裏付けられた。人と自然をつなぐ仕事をしたいという思いが、事業の原点になっている。
共同オーナー型の仕組みを採用し、会員が全国に展開する拠点を単なる宿泊施設ではなく、自然の中で焚き火を囲み、料理をし、家族で食卓を囲むといった時間を過ごすなど、「もう一つの家」のように利用できるのが特徴だ。「人間は本能的に自然を求めている」。その感覚を取り戻す場所を提供することが、SANUの事業の役割だと考えている。
「今はデジタルに追われる社会になっている」との問題意識もある。テクノロジーは便利さをもたらす一方で、忙しさや情報の洪水を生み出してきた。「テクノロジーが幸せを作るわけではない」。だからこそ、自然の中で過ごす時間が、心の余白を取り戻すきっかけになると考えている。「都会に住みながら自然にも拠点を持つ生活を当たり前にしたい」。(小澤美菜子)






















