国交省の都市政策検討が進展 価値創造のモデル地区形成へ 交通と街づくりの連動も強化
住宅新報 2026年3月17日 号 2面
「イノベーション創発検討会」は、都市の個性確立や〝稼ぐ力〟の向上を図るため、技術革新や価値創造等の基盤となる「イノベーション地区」の形成を目指し、街づくりの観点から必要な取り組みを議論する有識者会議。第4回会合で、国交省の服部卓也大臣官房技術審議官(都市)は、「本検討会は昨年6月に検討を開始し、今回はこれまでの議論を集約した『中間取りまとめ』を報告する。都市におけるイノベーションの創発を更に促す意見をもらえれば」と当日の趣旨を述べた。
今回の「中間まとめ」は、同「地区」の整備・創出のため考慮すべき事項と、取り組むべき施策の方向性を整理した。また、国内外の先行事例も紹介し、日本特有の事情として留意すべき点についても指摘している。
同「地区」整備に際しては、イノベーション拠点と大学・研究機関との近接が重要であり、「物理的な接触と頻繁なコミュニケーションが生まれる計画とすべき」と提言。必要な人材の誘因へ向けた就業環境等の向上や、関係者間の信頼や共通の価値観の形成などソフト面の施策も盛り込んだ。これらの実現へ向け、「多様な人材集積、ネットワーク形成」と「地域特性に応じた戦略と環境整備」による地区マネジメントを提唱した。
こうした「イノベーション創発に資する都市空間の形成及び街づくり」(同中間まとめより)へ向けた施策としては、一定の適性を持つエリアを対象に、同「地区」の「優良モデル」構築を掲げた。同「地区」の形成イメージとして、拠点整備等の街づくりと共に目標・戦略策定、必要な体制構築等を一体的に手掛け、補助金や金融支援等も通じて環境構築を推進する、多層的な政策展開も示した。
有識者会議と2WG発足
イノベーションによる都市の〝稼ぐ力〟向上策の具体化を進めると同時に、同省は「コンパクトで持続可能な都市構造」「ウォーカブルな都市空間」の実現へ向けた「都市(まち)リノベーション」(同省都市局)にも力を入れる。
2月17日には、「都市交通施策の再整理に関する検討会」(座長・森本章倫早稲田大学教授)を発足。「コンパクト・プラス・ネットワーク」を実現するための「都市交通軸(今週のことば)」のあり方や、他の都市政策との連携、ウォーカブルな空間づくりの視点、都市活動と交通手段を一体的にとらえた計画・事業などを議論する。
同検討会の内部には、「拠点エリア」(2月24日)と「都市交通軸」(3月6日)の2つのワーキンググループ(WG)もそれぞれ設置した。各WGが有識者ヒアリングや論点整理等を進め、3月30日には同検討会で報告する。それらを踏まえながら各会議体が議論を進め、6月頃には同検討会としての「中間まとめ」を作成する予定。その後も、状況を見ながら27年6月頃にかけて、必要な検討を続けていく方針だ。





























