不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編96 ~畑中学 取引実践ポイント~ 過去の建物履歴を把握しよう「地歴の調査方法」
住宅新報 2026年3月10日 号 18面

土地の売買では地歴の調査を行うことが多い。その目的は2つ。1つ目は地中埋設物がある可能性の判断(有無と何が埋まっているか)、2つ目は土壌汚染の可能性の判断となる。買主にとって購入後の利用や費用負担に大きな影響を与える内容なので、契約不適合責任が免責でも求められることが多い。土地売買の場合は地歴調査を求められること多いので、できれば調査しておこうと、考えておくのが正解だ。
ポイントも2つ。過去にどのような建物があったか、どのように利用がされていたかの2点となる。直近の建物や利用は特に重視をして確認していく。築年数が浅めの木造かつ住宅の利用があれば、地中埋設物や土壌汚染の可能性はやや低めと考えられるが、それ以外の場合はコンクリート等のガラ(ゴミ)、井戸、上下水道管、放置されたままの浄化槽、地下室といった地中埋設物や、工場やクリーニング店、理容店、ガソリンスタンドといった特定利用の店があれば、土壌汚染の可能性があると目途を付けていく。
調査方法は主に過去の住宅地図の閲覧。閲覧をして、そこで何か「これは何かあるかも」と思えば、航空写真や閉鎖簿謄本を取得して調べてみることになる。
過去の住宅地図は各都道府県の中央図書館で閲覧や複写ができる。一部ネットサービスで過去の住宅地図の閲覧複写ができるものもあるが、現時点では中央図書館の方が質量は揃っているので、いとわず足を運んだ方が良いだろう。中央図書館に着いたら書棚か、書棚にないなら窓口で昭和40年代頃からすべての年代の住宅地図を請求していく。
1つ1つ確認をして、原則すべて複写を請求していった方が後で事務所にて確認をするときに便利だろう。コピー機で自分を行うか、それでなければ複写を請求していく。申請用紙に該当ページを記入するか、しおりを差し込んで窓口に渡して、複写された住宅地図を受け取ることになる。
住宅地図を見て気になることがあれば、航空写真の閲覧をしても良いだろう。住宅地図とは異なり、どのような利用のされ方をしていたのか雰囲気が分かるときがある。国土地理院のオンラインサービスでも良いかもしれない。ただ、雰囲気が分かる程度かなというのが筆者の感想だ。
閉鎖簿謄本は法務局(出張所)で閲覧や取得ができる。契約不適合責任が免責以外の場合は、念を押して調べておくと良いだろう。筆者も面倒だけど調べておくかと閲覧をしたら地階があったことが分かり、それなりのガラが出てきて「調べておいて良かった」ということがあった。調査は手をかけただけ、応えてくれるものだと思う。
◇ ◆ ◇
【プロフィール】
はたなか・おさむ 不動産コンサルタント/武蔵野不動産相談室(株)代表取締役。2008年より相続や債務に絡んだ不動産コンサルタントとして活動している。全宅連のキャリアパーソン講座、神奈川宅建ビジネススクール、宅建登録実務講習の講師などを務めた。著書には約8万部のロングセラーとなった『不動産の基本を学ぶ』(かんき出版)、『家を売る人買う人の手続きが分かる本』(同)、『不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など7冊。テキストは『全宅連キャリアパーソン講座テキスト』(建築資料研究社)など。






















