不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編95 ~畑中学 取引実践ポイント~ 気後れせずに売買取引を推進 「代理人弁護士との売買契約」
住宅新報 2026年3月3日 号 12面

弁護士が売主や買主の代理人としての売買契約では、裁判所の許可が必要な売買以外では、一般的な取引方法と同じに進められるので、「えっ、弁護士の先生と」と気後れせず、いつも通り進めていこう。一方、裁判所の許可が必要な売買の場合は、売買契約の特約に記載する事項があるのと、裁判所からの選任書の確認、決済時に裁判所の許可証が不可欠なので注意をしていこう。
まず行うのが、本当に弁護士なのかの確認。弁護士事務所での売買契約以外は、念のため日本弁護士連合会の「弁護士情報検索」などで弁護士なのかどうかの確認を行う。合わせて画像検索などで顔写真を見ておくと、なりすましなども避けられて良い。
弁護士であることを確認ができたら、次は売買契約時の必要書類の確認。売主の代理人の場合は売主実印で押印された売主から弁護士への売買に関する委任状を確認し、印鑑証明書原本1通と売主の顔写真付き身分証明書(表裏)のコピーの交付を受けるのがベスト。委任状が認印、印鑑証明書の交付がない場合は、できれば売主と直接会うか、電話連絡で確認をし、売却意思確認をしておくと丁寧だろう。当然、登記済権利証や登記識別情報通知書の原本確認ができると売主とその代理人であることが分かるので安心だ。
一方、破産管財人など裁判所から選任をされた弁護士の場合は、売主=弁護士と位置付けられ、委任状の代わりに裁判所からの選任書の原本を確認し、コピーをもらい、弁護士の顔写真付き身分証明書(表裏)をもらうようにする(省略も可)。登記情報上の売主は売買に関係がないので、その関連書類は不要となるのが一般的だ。買主の代理人の場合も同様の手続きとなる。しかし売主の代理人と異なり、金銭を売主へ支払う立場なので、本人確認はそこまで厳しくなくても良いかもしれない。
弁護士が代理人の売買契約書への記載事項は特筆するものは基本ない。ただ、破産管財人など裁判所選任の弁護士の場合は、裁判所の売買許可が必要のため、特約欄に「裁判所の許可を得られない場合は契約を無条件に解除できる」と停止条件を入れ、売買から決済までのスケジュールは長めにとっておくようにしよう。
無期限だと買主に不利益を与えるので、「●年●月●日までに許可を得られない場合は、売主および買主は契約を解除できる」と入れておこう。決済時は裁判所の売買許可証を交付してもらい、そのまま司法書士に渡して所有権移転手続きを行っていく。
売買契約書への押印は弁護士の職印。「売主(氏名)代理人弁護士」(弁護士名)として押印してもらう。角印と丸印があるが、職印ならどちらでも構わない。
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【プロフィール】
はたなか・おさむ 不動産コンサルタント/武蔵野不動産相談室(株)代表取締役。2008年より相続や債務に絡んだ不動産コンサルタントとして活動している。全宅連のキャリアパーソン講座、神奈川宅建ビジネススクール、宅建登録実務講習の講師などを務めた。著書には約8万部のロングセラーとなった『不動産の基本を学ぶ』(かんき出版)、『家を売る人買う人の手続きが分かる本』(同)、『不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など7冊。テキストは『全宅連キャリアパーソン講座テキスト』(建築資料研究社)など。






















