競売不動産取扱主任者 8月1日より申込受付開始 試験日2026年12月13日(日)

様々な不動産情報が盛り沢山!

酒場遺産 ▶123 神田 浜貞 神田食文化の正当な末裔

住宅新報 2026年3月3日 号 11面

連載: 酒場遺産

総合
酒場遺産 ▶123 神田 浜貞 神田食文化の正当な末裔

 散歩がてら神田の活魚料理「浜貞」へ。20年ほど前に前職の先輩と訪れた記憶があるが、ほぼ満席だったのでカウンターの一番端に座った。店主は80歳くらいだろうか、生簀と厨房の間の狭い通路を、忙しなく行き来している。店の正面に置かれた水槽から網で魚を掬い、すぐさま料理する。寡黙に手を動かし、驚くほどのスピードで料理が次々と出てくる。ともかくも海鮮料理が美味い。店主自ら毎日市場へ足を運び、納得のいく魚しか仕入れないという。予約はできないのが難だが、界隈で働くサラリーマンに人気だ。

 酒類は、麦酒(生、瓶)、熱燗は大関、地酒は一ノ蔵本醸造、真澄純米吟醸、真澄純米吟醸、浦霞純米、八海山本醸造、東光純米が1000円前後。料理は名物の海鮮が中心で、あじ造り、ナメロウ、活本みる貝、活赤貝、活ホタテ刺、インドまぐろ、〆さば、サーモン、天然ぶり刺、どじょう丸煮、小あじ唐揚げ、ふぐ唐揚げなどが600~1200円程度、甘エビ、生イカ丸焼、月見、山かけ、山芋千切、このわた、尻高煮、揚げ出し豆腐、とり豆腐、奴豆腐、イクラおろしなどの単品は500~600円、その他、のり茶漬、鮭茶漬、焼おにぎり、あさり汁、しじみ汁、うしお汁、蛤つゆなどを揃える。鯵のアラは骨せんべいに、カワハギは味噌汁にしてくれる。無駄なく良心的で、真っ当なのだ。

 「浜貞」は戦後間もない時期に暖簾を掲げた。みますや(司町、1905年創業)やいせ源(須田町、1830年創業)などと並ぶ神田を代表する老舗酒場である。この店がある神田多町では、江戸時代から続く青物市場(神田市場)が、昭和初期まで東京の食を支えた。「市場の中に町がある」と言われた独特な場所で、江戸三大市場(神田・駒込・千住)の中でも随一の規模を誇る日本一の食材の集積地だったという。市場が1928年に秋葉原、その後に大田市場へ移転した後も、舌の肥えた問屋や職人たちが多く残り、「真っ当なものを気取らず食わせる」気概が残ったという。こうして形成された食文化が「浜貞」にも引き継がれている。今は間口の小さな「浜貞」だが、偉大な神田食文化の正当な末裔なのである。(似内志朗)

求む!買取物件 価値ある中古不動産の売買はムゲンエステート住宅新報別冊 不動産テック.BIZ Vol.14 最新号発行 不動産×ITの最新トレンドをお届け会員会社(賛助会員を含む)のプレスリリースを一元的に集約・掲載する情報発信サイト マンション管理プレスリリースセンター

関連サービス