「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ 第93回 考えたい繁忙期の仮押さえ対応
住宅新報 2026年2月17日 号 12面

賃貸は繁忙期の真っ只中である。この時期に引っ越しに慣れたお客様の物件仮押さえが行われることがある。仮押さえとは「とりあえず」の入居申し込みで、キャンセルにつながることも多々ある。
筆者の会社では不動産管理をしている関係から、この仮押さえには神経をとがらせている。仮押さえでも物件をいったん「申し込み有り」として止める。そうすると他社の客付けからの問い合わせにもそのように答えるし、ポータルサイト経由のお客様にもそのように答えざるを得ない。それが契約となるなら問題ないが、キャンセルになった場合はその間の成約のチャンスを逃すこととなり管理会社もオーナーも悔しい思いをする。 仮押さえがどうして起こるのか。誰がどんな理由で行うのか。管理会社やオーナーはこれにどう対処していけばよいかについて考えてみたい。
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まず繁忙期に仮押さえが起こりやすい理由として、物件の動きが早いということが挙げられる。競争力のある物件はすぐに決まってしまい、次にそれほどでもないごく普通の物件も決まり、残っているのは借り手から見て何らかの弱点のある物件ということになる。したがって繁忙期にお部屋探しをするお客様は良い物件を見つけたらすぐに内見し、申し込みしなければならない。ただ、申し込みはするが他にももっと良いものが見つかる可能性があると思い、仮押さえ的な申し込みになる。
この時期は仮押さえを客付け業者の営業担当者が主導して行う場合もある。客付け業者は仲介手数料を逃したくない=お客様の成約を逃したくない=物件を逃したくないという思いを常に抱えている一方で、この時期の物件の足がはやい(すぐ決まってしまう)こともよく知っている。不動産営業担当者ならお客様に紹介しようと思っていた物件を他社に決められてしまうという経験は1度や2度ではなく多数しているはずである。それでお客様のテンションが下がってしまい他社に逃げられてしまうこともあるし、急いでいないお客様であれば引っ越しそのものをいったん見合わせるケースもある。このような経験をした客付け業者は物件仮押さえに走ることがある。
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管理会社やオーナーは、まずこのようなことがあることを知ることである。仮押さえを見破る方法としてまず挙げられるのは入居申込書の埋まり具合が挙げられる。手書きの入居申込書の場合、お客様の筆跡や申込書の埋まり具合で判断できる場合がある。筆者の経験から仮押さえのお客様の筆跡は弱く丁寧さに欠け、空欄の多い申込書になる傾向がある。中には客付け業者が代筆しているものもある。
次回は引き続き管理会社やオーナーができる仮押さえ対策についての内容としたい。
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【プロフィール】
おきの・げん 日大大学院修了。不動産コンサルタント兼不動産系研究者。不動産実務検定講師。リーシングジャパン代表取締役。執筆・講演多数。






















