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プレミアム会員限定古民家宿の物語 日本全国リノベーション 126 小川まちやど (上) 移住と「泊まる場所がない」現実への回答

住宅新報 2026年2月17日 号 11面

連載: 古民家宿の物語 日本全国リノベーション

総合
古民家宿の物語 日本全国リノベーション 126 小川まちやど (上) 移住と「泊まる場所がない」現実への回答

コロナ禍を機に都内から移住

 共同代表の一人である中市里美さんは、住宅メーカー勤務を経て空間デザインの仕事に携わってきた。住宅や建築に関わる中で、「新築を建て続ける」住宅産業のあり方に疑問を抱き、古民家や既存建築をどう生かし次世代へつなぐかというテーマに関心を深めていった。日本民家再生協会の活動にも関わり、古民家の保存・活用に関する知見を積み重ねてきた人物である。

 小川町との関わりは、同協会のイベントや町歩きがきっかけだった。地域の人々と顔見知りになり、折に触れて町を訪れるうち、コロナ禍による都市生活の閉塞感が中市さんに移住という選択を後押しした。築年数のある住宅に住み始め、生活の実感として町と向き合う中で、ある課題に気づく。

地元の協力が後押し

 「小川町には泊まる場所が少ない」。

 飲食店で酒を楽しんでも車を置いて泊まれない。親族や友人が訪れても受け入れ先が限られる。観光地ではない町だからこそ、宿泊機能の不足は地域の日常に影響を及ぼしていた。

 こうした状況を受け、中市さんが最初に立ち上げたのは古民家宿ではなく、ゲストハウス「ジットハウス」だった。古民家に造詣はあったものの、まず必要とされたのは「気軽に泊まれる場所」を確保することだった。

 空きテナント等を活用し、滞在の受け皿をつくる試みが始まった。ドミトリー型宿泊施設は、元店舗空間をDIYで改修。床張り、間仕切り、ベッド制作などを地域住民や飲食店関係者と共に行った。小川町には、古民家再生や地域再生に関わる人材と文化的土壌があり、「手伝うこと」が自然な行為として根付いている。かつての「結(ゆい)」にも似た地域協働の文化が、現代的な形で再生されている。

同時期に古民家宿も

 一方、同じ時期に小川町では、もう一人の女性が古民家を活用した一棟貸しの宿「三姉妹」を立ち上げていた。二人は現地で知り合い、それぞれ異なるアプローチながら、「町に滞在の選択肢を増やしたい」という問題意識を共有していく。

宿=三姉妹

住所=埼玉県比企郡小川町大塚

ウリ=小川町を夜まで満喫でき、日常を体験

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