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スタンダード会員限定物流不動産ビジネスと新しい人〝財〟戦略 「人」が生きる営業改革 イーソーコ総合研究所 代表取締役 出村亜希子 第11回 情報が情報呼びチャンス拡大

住宅新報 2026年2月17日 号 3面

総合
物流不動産ビジネスと新しい人〝財〟戦略 「人」が生きる営業改革 イーソーコ総合研究所 代表取締役 出村亜希子 第11回  情報が情報呼びチャンス拡大

 物流不動産は〝どんな荷物を扱うか〟、〝どんな物流を行うか〟によって施設に必要とされるスペックが変わってくるため、他のアセットと比較してマッチングの難易度が高いと感じたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、いったん物流のポイントを押さえてしまえば、提案の精度は驚くほど高まります。たとえば、移転なら、現在の使われ方をよく確認することで、リーシングの外せない必須条件が浮かび上がってきます。また、物流不動産は物件流通量も限られているので、実際に取り組んでみると、物流不動産の参入障壁は考えるほど高くないかもしれません。

 契約形態が物流の寄託契約になると話は別ですが、近年、倉庫業の方も規制緩和が進み、倉庫シェアが認められるなど不動産業との境界線が少しずつ薄れてきています。今後ますます取り組みやすくなっていくのではないでしょうか。

 さて、物流不動産のマッチングは、何と言っても情報量が勝負です。いかにして多くの情報を得るか。それには、「情報を投げる(発信する)」ことです。情報は目には見えないながらも立派な価値ですから、情報を受け取った相手は「こちらもお返しをしなければ申し訳ない」という、返報性の原理が働くのです。

 「倉庫をお探しの情報があります。物件ありませんか」と広範囲に情報を投げると、「ニーズぴったりではないけれど、こんな物件があります」「当社が探しているニーズ情報もお送りします。合致する物件があったらご紹介お願いします」といった返事が返ってきます。そこには様々な物件情報や案件情報が含まれており、それは必ずしも求める情報ではないかもしれません。実際に、求める情報ではない場合の方が多いことでしょう。

 その時に、〝現在取り組んでいる案件・物件には合わないから〟といってスルーしてしまうのは、非常にもったいないこと。みすみす〝お宝情報〟を捨てているようなものです。現在求めているものではなくとも、一つ貴重な情報が得られたわけです。こうしたアンマッチ情報をどう扱うか。その蓄積こそが後々別の案件・物件の成約へと姿を変えるのです。

 マッチングにおいて、倉庫の「物件情報」と「案件情報」はビジネスの両輪を成すものです。両方そろって初めて成立するもので、どちらが欠けても成立しません。ですから、物件情報と案件情報は、バランス良く収集していきたいところです。案件情報を得るには、物件情報を投げること。物件情報を得るには、案件情報を投げることです。そうして集めた情報が多いほど、収益につながる選択肢が増えていくことになるのです。

 情報が集まるのは、情報が多くありそうなところです。物件情報が多くありそうなところに案件情報は集まりますし、案件情報の多くありそうなところに物件情報は集まります。何か購入する時にも、〝品ぞろえの多そうなショップにいけば、きっと欲しいものが見つかるのではないか〟と期待する心理と同じです。

 情報を発信することで情報の波及効果が起こり、何倍にもなって情報が返ってきます。呼吸をするように、情報の発信・受信を日々繰り返すことで、大きくビジネスチャンスが広がっていきます。

 でむら・あきこ=富山県出身。奈良女子大学大学院修了。一級建築士、宅地建物取引士。不動産コンサルティングマスター。15年より(株)イーソーコ総合研究所代表取締役。著書に『築古[ビル・倉庫]のリノベーション・コンバージョン計画実務資料集』(綜合ユニコム(株)・共著)

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