不動産ビジネス塾 売買仲介 初級編94 ~畑中学 取引実践ポイント~うっかり以外は信用情報で確認 「住宅ローンが否決、減額の対応(1)」
住宅新報 2026年2月10日 号 20面

住宅ローンの審査結果が否決もしくは減額であった場合、難しかったかと気落ちする前に、原因を確認し金融機関を通じて保証会社に粘ってみるのも一つの手だ。「はい、さようなら」ではそこまでの活動時間がもったいない。購入検討者の購入マインドが落ちていないようなら、原因が何なのかをヒアリングして探り、対処可能なら再検討を依頼しても良いだろう。
ヒアリングの方針は2つだ。否決の場合は過去の借り入れの支払遅延や滞納、減額の場合は他の借り入れの残高の確認だ。この2つを遠慮なくヒアリングしていこう。購入検討者の中には自身の借り入れ状況について深く話をすることに抵抗を見せる人がいる。そもそも住宅ローン審査時に正確に書いてもらわなかったからダメなのだから、「正確に話をしてもらうことが、住宅ローンを利用できる近道です」このぐらいハッキリ言って聞いていこう。
否決の場合は購入検討者に信用情報機関(KSC、CIC、JICC)に申請して、自身の過去の借入状況を取得してもらうのが必須だ。費用はアプリや郵送対応で500~2000円程度となる。重大な遅延や滞納があれば購入検討者もよく覚えていて隠すことなく言ってくれることが多いが、軽微な遅延や滞納は忘れてしまっていて「何も覚えがない」とヒアリングしても聞き出せないことが多い。そのため信用情報の取得をお願いし、その内容を確認するのが重要となる。筆者が過去にあった顧客の事例では、カードに付帯する月300円の保険が使っていない残高0円の金融機関口座から引き落しができず、そのまま2カ月が経過してようやくカード会社から連絡があったことを、信用情報を見て思い出して話をしてもらったことある。
このような軽微な金額のうっかり返済を忘れてしまった、気が付かなったという故意ではない遅延や滞納は、信用情報や当時の経緯をまとめて金融機関に提出すれば、保証会社と交渉してもらい、一転住宅ローンが承諾となることもある。保証会社が嫌うのはお金を借りたのに、返済する意思がないことだからだ。試してみる価値はある。一方で大きな金額や、故意の遅延や滞納は審査結果を覆すのは厳しい。
減額の場合は否決よりもやさしい。滞納はなく、遅延もほぼない。他の借り入れの月の支払額、返済残高が影響していると考えられるからだ。そのため、ローン審査書に書かれた他の借り入れの内容を確認し、残高を自己資金で返済ができるのかを確認すれば良い。減額は残高よりも月の支払額の影響が大きいので、付の支払額が大きい割に残高が少ない借り入れを優先的に返済することを勧めよう。
◇ ◆ ◇
【プロフィール】
はたなか・おさむ 不動産コンサルタント/武蔵野不動産相談室(株)代表取締役。2008年より相続や債務に絡んだ不動産コンサルタントとして活動している。全宅連のキャリアパーソン講座、神奈川宅建ビジネススクール、宅建登録実務講習の講師などを務めた。著書には約8万部のロングセラーとなった『不動産の基本を学ぶ』(かんき出版)、『家を売る人買う人の手続きが分かる本』(同)、『不動産業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』(技術評論社)など7冊。テキストは『全宅連キャリアパーソン講座テキスト』(建築資料研究社)など。






















