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プレミアム会員限定不動産取引現場での意外な誤解 売買編255 先妻の子と後妻の子で相続争いが生じる?

住宅新報 2026年1月27日 号 13面

連載: 不動産取引現場での意外な誤解

総合
不動産取引現場での意外な誤解 売買編255 先妻の子と後妻の子で相続争いが生じる?

Q.最近は離婚が多いので、先妻の子と後妻の子との間で相続争いが生じることもあると聞きました。どのようなケースでしょう。

A.例えば先妻・後妻ともに被相続人との間に子があり、その子(各1人ずつ)が各自4分の1ずつの相続分で相続したあと、後妻が再婚しないで死亡したとすると、後妻の遺産はすべて後妻の子が相続しますので、後妻が被相続人の死亡により相続した遺産2分の1と合わせると、後妻の子が被相続人の遺産の4分の3を相続することとなり、争いのもとになります。

Q.確かにそうですね。

A.しかし、先妻の方にも離婚の際にそれなりの「財産分与」がなされているでしょうから(民法768条)、その分は先妻の子が相続することになりますので、その点をよく話し合えば相続争いは収まるのではないでしょうか。

Q.そうすると、例えば妻の離婚訴訟中に、夫が死亡した場合の相続というのはどういうことになるのでしょうか。

A.それは、妻との離婚訴訟中に夫が死亡した場合の妻の相続権がどうなるかということですから、この点については、民法が「被相続人の配偶者は常に相続人となる。」と定めていますので(民法890条)、いかに離婚訴訟中といえども、婚姻関係は継続しているわけですから、妻の相続権に変化はありません。

Q.ということは、同じ妻でも「内縁の妻」に相続権はないということですね。

A.そういうことです。しかし、その内縁の妻以外に、相続人が誰もいないというような場合には、その内縁の妻が「特別縁故者」として財産の分与を受けられる場合があります(民法958条の2)。

 この「特別縁故者」というのは、(1)被相続人と生計を同じくしていた者(たとえば、内縁の妻・夫、事実上の養子、伯父・伯母などのほか他人でもよい)、(2)被相続人の療養看護に努めた者(親族、知人のほか、看護師・介護士などでもよい)、(3)その他特別の縁故があった者で法人でもよいので、長年療養してきた療養所などでもよいとされています。そして、それらの特別縁故者への財産分与後の残りの財産は「相続人不存在」として国庫に帰属することになります(民法951条以下、959条)。

渡邊不動産取引法実務研究所 代表 渡邊 秀男

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