大言小語 ニュース番組の転換点
住宅新報 2026年1月27日 号 1面
連載: 大言小語

ニュースの記憶は時期があいまいになる一方だが、国内外を問わず、1985年から翌年にかけては妙にはっきりと覚えている。8月の日本航空123便墜落や翌年1月のスペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発、現在のウクライナで起きたチェルノブイリ原子力発電所事故などに衝撃を受けたが、それ以外でもNTT民営化やつくば科学万博の開催、ハレー彗星の接近、阪神タイガースの初の日本一達成など、枚挙にいとまがない。フィリピンのマルコス大統領が失脚したのもこの時期だ。
▼いわゆるプラザ合意や男女雇用機会均等法の成立などもこの時期で、大きな転換点でもあったわけだが、当時の記憶は、後々の影響の大きさより、当時のニュース番組のインパクトに比例しているというのが正直な実感だ。
▼先日死去した久米宏氏がキャスターを務めたテレビ朝日の報道番組「ニュースステーション」は、ともすれば「軽佻浮薄」と評された久米氏と相まって「テレビの報道番組をバラエティー化した」と言われ、その功罪を問う媒体も散見する。だが、同番組が、それまでの硬派一辺倒だったニュース番組とは全く異なる報道の在り方を示したことで、他の民放各社もテレビにおける報道の可能性を模索し、また新たなニュース番組が生まれた。今日、ニュース番組を選べる日常は、当時の先達の奮闘なくしてあり得なかった。改めて敬意を表したい。






















