「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ 第91回 入居前点検は抜かりなく
住宅新報 2026年1月20日 号 12面

本稿は新年最初になる。今年も読者にとって気休めになるコラムを書けたらと思う。どうか気楽にお付き合いいただきたい。
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これから賃貸の繁忙期になる。この忙しい時期におろそかにしてはならない業務に入居前点検がある。筆者はこれをおろそかにしてお客様のクレームから解約・返金まで至った苦い経験がある。ことのいきさつを述べたい。
それはまさに繫忙期が終わろうとしている時期だった。管理物件で1つの物件の2部屋がどうしても埋まらず焦っていたところ、地方からお部屋探しに来た姉妹の内見があった。姉は就職予定、妹は大学生で寮住まい。姉の引っ越しに際して妹も近くで入居できる先を探していて、親もそれに同意していた。その内見には父親が付いてきた。周辺の物件も含めていくつかご案内し、同じ建物に2部屋ある弊社の管理物件に申し込みされた。姉妹なので同じ建物なら助け合うこともできるだろうという思いもあったようだった。ここで姉妹のざっくりとした性格をお伝えしておきたい。一般に兄弟・姉妹とはそのようなものかも知れないが、姉は少し神経質で、妹は細かいことは気にしない大雑把な性格だった。
2人が入居して数週間経った頃、姉からエアコンのリモコンが効かないと連絡があり、確認してリモコンの新規交換を行った。もちろん入居前にエアコンが使えることは確認していた。その後、今度はエアコンの効きが悪いとの連絡があったため確認した。その際に父親から連絡があり、こうなった以上エアコンの新規交換するようオーナーに伝えてほしいとの要望があった。エアコンは使えないとまでは言えない状態だったが、確かに古いものではあったため、オーナーと相談して新規交換を手配して本人と親にもそれを伝えた。ただ、そのエアコンが壁に配管が埋め込まれているいわゆる「隠蔽配管(いんぺいはいかん)」だったため、対応するエアコンは見つかったが工事まで2週間ほどかかることがわかった。それを伝えると本人は泣き出し、父親からは強烈なクレームの電話が入った。すぐに問題のないもう1部屋も含めて2部屋を解約して契約金を返金しろと言ってきた。筆者はオーナーと相談して解約・返金を行った。
エアコンの新規交換を申し出ているので、人によってはここまでのクレームにはならなかったかもしれない。しかし、筆者の入居前点検が甘かったことは否めない。お客様やオーナーにご迷惑をおかけし、深く反省した。これを教訓としてそれ以後、入居前点検を綿密にやるようになった。次回は入居前点検でどんな点に気を付けているかについて書いてみたい。
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【プロフィール】
おきの・げん 日大大学院修了。不動産コンサルタント兼不動産系研究者。不動産実務検定講師。リーシングジャパン代表取締役。執筆・講演多数。






















