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スタンダード会員限定本紙 住宅・不動産景況感アンケート調査 好転と前年並みで9割占める オフィス業界は強気

住宅新報 2026年1月13日 号 1面

総合
  • 本紙 住宅・不動産景況感アンケート調査 好転と前年並みで9割占める オフィス業界は強気

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  • 企業業績の好調と賃上げ気運がオフィス市場けん引

    2 / 2企業業績の好調と賃上げ気運がオフィス市場けん引

 アンケート結果から見えてくる強気のセクターは、オフィスビル業界だ。東京都心5区では、昨年から空室率の低下と賃料の上昇という好循環が生まれている。こうした市況感を反映し、Aクラスビルの空室率は低下が続くとの回答が78%と約8割を占めた。前年の同調査では59.5%だった。横ばいは19.5%。空室率の上昇を想定する見方はほぼない。

 賃料見通しとしては、上昇するが85.4%、横ばい14.6%となり、下落するとの見立てはゼロとなった。オフィス市場では、「本質的な価値や機能を重視する企業の増加が昨年見られ、良質なオフィスの品薄感は強まっている」(不動産大手)という。半面、中小規模のオフィスビルは、空室低下との回答が56.1%と半数超となり、前年比13.2ポイント改善しているものの、Aクラスほどの強気姿勢を見ることはできず、市況の二極化を浮き彫りとしている。とはいえ、中小オフィスの賃料も68.3%が上昇を想定して前年比22ポイント改善している。

 一方、賃貸住宅市場を見ると、オフィスほどの強気姿勢ではないが、空室率は改善と横ばいがそれぞれ前年比でプラス8.7ポイント、マイナス4.7ポイントとなり、悪化するとの回答は無かった。平均成約賃料も前年比7.7ポイント増と77.1%を占めて賃料が下落するとの見立ては無い。

 不動産投資市場でも、前年と同程度と前年より活発化するとの合計で8割を超えており、利上げ局面とはいえ、諸外国との比較でなお緩和状態との見方を映し出した。

 居住用不動産と商業用不動産は、総じて悪化を想定せずに堅調な見立てである。

日中関係悪化に警戒感

 ただ、日本経済の見立てでは、回復基調が強まるとの回答は前年の5.9%から2.0%に低下しており、前年よりも厳しくなるとの見方が8.0%と前年比6.0ポイント増加した。全体感としては、やや改善と前年と同様が4割台ずつで占めているが、「米国の株価次第だ」と奥底にある警戒感が浮かぶ。

 その背景には何があるのか。住宅メーカー大手からは、「米国の関税政策によって先行き不透明な状況が続いていることに加えて、円安・ドル高の進行で物価上昇圧力が強まっている」や「日中関係の悪化が景気の重しになる」との声があがる。開発大手や流通大手からも、「コストプッシュ型インフレと円安傾向の継続、国内外の情勢不安」や「建築費の高騰や金利の動向」が懸念要素だとしている。建築費の高騰では、開発大手から「公共性の極めて高い再開発事業の推進を阻害するネガティブな要素だ」と訴える声もあがった。

 ただ、こうした懸念要素に注意を払う必要はあるが、「雇用・所得環境の改善が進み、各種政策効果と相まって景気は緩やかな回復基調で推移する。不動産業界としても、堅調なオフィスマーケットや好調な住宅需要などにより、前年と同様の業績が期待できる」(不動産開発大手)といったコメントが相次いだ。

ストック型社会へ転換

 分譲住宅市場は価格高騰が課題の一つだが、不動産大手は、「特に都心3区の中心エリアでは新規供給が少なく、国内の富裕層を中心に需要は引き続き高い状況が続いている。都心部の好立地エリアの住宅需要は高いと考えている」との見立てだ。

 都心部に限らず、全体として資産価値と実需の双方の需要を満たす住宅の供給が求められてもいる中で、分譲マンションの新規供給戸数は抑制傾向が続く。「急激な住宅ローン金利の上昇がない限り、顧客ニーズに沿った住宅供給が引き続き住宅需要を喚起すると思われる」(不動産大手)ものの、アンケート結果では、首都圏で26年新規供給予測では3万戸未満が8割を超えており、ストック分野での国策による需要の下支えに期待する声が多くを占める。

 中堅マンション開発事業者からは「新築は高すぎて買えないが、住環境は妥協したくない、という層にとって新築よりも2~3割安く、かつ内装が新築とそん色のない仕様の買い取り再販物件は現実的で魅力的な商品だ」とする。

 今後の期待できる分野では、「ストック型社会への転換が進む中で、環境性能(GX)を向上させるリノベーションや中古住宅流通で必須となる」としている。

 また、今年の注目テーマとしては、外国人による不動産購入厳格化や不動産相続税の強化が注目されている。

【新年景況アンケート内容と結果(回答51人)】

Ⅰ.日本経済(景気)の見通し

(1)全体的に景気の回復基調が強まる…2.0%

(2)前年よりはやや改善する…48.0%

(3)前年と同様の状況が続く…42.0%

(4)前年より厳しくなる …8.0%

Ⅱ.住宅・不動産市場の全体的な景況

(1)前年より好転する …10.0%

(2)前年と同様の状況で推移する …80.0%

(3)前年より厳しくなる …10.0%

Ⅲ.新設住宅着工戸数(26年度)

1)全国の住宅着工戸数予想は

80万戸以下=67.4%>80万~83万戸未満=27.9%>83万~85万戸未満=0.0%>85万戸以上=2.3%

2)個人住宅(持ち家)の着工戸数は

(1)増加する…17.4%

(2)横ばいで推移する…50.0%

(3)減少する…32.6%

3)賃貸住宅の着工戸数は

(1)増加する…33.3%

(2)横ばいで推移する…60.0%

(3)減少する…6.7%

4)分譲住宅(戸建て)の着工戸数は

(1)増加する…15.6%

(2)横ばいで推移する…55.6%

(3)減少する…28.9%

Ⅳ.分譲マンション市場(首都圏で想定)

1)26年の首都圏の供給戸数は

3万戸未満=83.8% >3万~3.5万戸未満=5.4%>3.5万~5万戸未満=5.4%>5万戸以上=2.7%

2)前年と比較して、売れ行きは

(1)良くなる…2.6%

(2)同程度で推移する…86.8%

(3)悪化する…10.5%

Ⅴ.不動産(中古)流通市場(首都圏で想定)

1)前年と比較して、個人・リテール分野の取引件数は

(1)増加する…40.9%

(2)横ばいで推移する…56.8%

(3)減少する…2.3%

2)前年と比較して、法人・事業用・投資分野の取引件数は

(1)増加する…41.9%

(2)横ばいで推移する…55.8%

(3)減少する…2.3%

3)前年と比較して、首都圏の不動産取引価格は全体として

(1)上昇…62.8%

(2)横ばい…34.9%

(3)下落…2.3%

4)前年より取引が活発になると思うものを選んで下さい(複数回答可)

(1)マンション…36.0%

(2)戸建て…20.0%

(3)宅地…6.7%

(4)事業用・投資用資産…37.3%

5)リノベーション市場(個人住宅)

(1)拡大…75.0%

(2)横ばい…25.0%

(3)縮小…0.0%

Ⅵ.賃貸ビル市場(首都圏を想定)

1)前年と比較して、Aクラスのオフィスビルの空室率は

(1)低下…78.0%

(2)横ばい…19.5%

(3)上昇…2.4%

2)前年と比較して、中小規模のオフィスビルの空室率は

(1)低下…56.1%

(2)横ばい…31.7%

(3)上昇…12.2%

3)前年と比較して、Aクラスビルのオフィス賃料は

(1)上昇…85.4%

(2)横ばい…14.6%

(3)低下…0.0%

4)前年と比較して、中小規模ビルのオフィス賃料は

(1)上昇…68.3%

(2)横ばい…26.8%

(3)低下…4.9%

5)継続賃料(首都圏を想定)は

(1)値上げ…85.7%

(2)横ばい…11.9%

(3)下落…2.4%

Ⅶ.不動産投資市場

不動産投資ファンド(Jリート含む)など投資家の不動産取得(売買)はどうなると思われますか

(1)前年より投資活動は活発化する

…28.9%

(2)前年と同程度で推移する…55.3%

(3)前年水準より低迷する…15.8%

Ⅷ.賃貸住宅市場

1)前年と比較して、空室率は

(1)改善する…27.1%

(2)横ばいで推移する…72.9%

(3)悪化する…0.0%

2)前年と比較して、平均成約賃料は

(1)上がる…77.1%

(2)横ばいで推移する…22.9%

(3)下落する…0.0%

Ⅸ.ハウスメーカーの25年の受注見通し

1)前年と比較して、注文住宅は

(1)上回る…10.8%

(2)横ばいで推移する…62.2%

(3)下回る…27.0%

2)前年と比較して、賃貸住宅は

(1)上回る…35.3%

(2)横ばいで推移する…50.0%

(3)下回る…14.7%

Ⅹ.リフォーム・増改築市場

(1)前年より活発化する…54.8%

(2)前年と同程度で推移する…45.2%

(3)前年より低調になる…0.0%

Ⅺ. 26年の事業環境

(1)前年よりも改善する…24.5%

(2)前年と同程度で推移する…59.2%

(3)前年より厳しくなる…16.3%

Ⅻ. 特に成長が期待できる事業分野(複数回答)

(1)住宅…7.8%

(2)オフィス…6.7%

(3)商業…0.6%

(4)物流…4.4%

(5)開発・分譲…2.8%

(6)売買・仲介…7.2%

(7)賃貸仲介・管理…6.1%

(8)リノベーション・リフォーム・買取再販等…19.4%

(9)投資…7.2%

(10)DX…18.3%

(11)GX…12.8%

(12)新規事業・その他…6.7%

※なお、未回答については集計に含まず。

<アンケート回答者・一覧>

旭化成ホームズ・大和久裕二代表取締役社長▽朝日住宅・初田郁子代表取締役専務▽伊藤忠都市開発・松典男代表取締役社長▽ADワークスグループ・田中秀夫代表取締役社長CEO▽FJネクストホールディングス・肥田恵輔代表取締役社長▽オープンハウス・福岡良介代表取締役社長▽小田急不動産・五十嵐秀取締役社長▽近鉄不動産・倉橋孝壽代表取締役社長▽コスモスイニシア・高智亮大朗代表取締役社長▽サンケイビル・飯島一暢代表取締役社長▽スターツコーポレーション・村石豊隆代表取締役社長▽住友不動産・仁島浩順代表取締役社長▽住友不動産ステップ・青木斗益代表取締役社長▽住友林業・光吉敏郎代表取締役社長▽積水化学工業・吉田匡秀住宅カンパニープレジデント▽積水ハウス・仲井嘉浩代表取締役兼CEO社長執行役員▽センチュリー21・ジャパン・高坂勇介代表取締役社長▽大京・細川展久代表取締役社長▽大成有楽不動産・植草健史代表取締役社長▽大東建託・竹内啓代表取締役社長執行役員CEO▽大和ハウス工業・大友浩嗣代表取締役社長▽東急・堀江正博取締役社長▽東急不動産・星野浩明代表取締役社長▽東急リバブル・小林俊一代表取締役社長▽東京建物・小澤克人代表取締役社長執行役員▽トーセイ・山口誠一郎代表取締役社長▽日神グループホールディングス・神山隆志代表取締役社長▽日鉄興和不動産・三輪正浩代表取締役社長▽日本財託・重吉勉社長▽中央日本土地建物グループ・三宅潔代表取締役社長▽野村不動産・松尾大作代表取締役社長▽ハウスコム・田村穂代表取締役社長執行役員▽長谷工コーポレーション・熊野聡代表取締役社長▽パナソニックホームズ・藤井孝代表取締役社長▽阪急阪神不動産・福井康樹代表取締役社長▽フージャースホールディングス・小川栄一代表取締役社長執行役員▽ポラスグループ・中内晃次郎代表▽プロパティエージェント・村田貴志取締役▽タカラレーベン・高橋衛取締役兼常務執行役員経営企画本部長▽ミサワホーム・作尾徹也代表取締役社長執行役員▽みずほ不動産販売・宮本雅弘常務執行役員▽三井不動産・植田俊代表取締役社長▽三井ホーム・野島秀敏代表取締役社長▽三菱地所・中島篤執行役社長▽三菱地所ハウスネット・平川清士取締役社長▽三菱地所リアルエステートサービス・清水秀一代表取締役社長▽森トラスト・伊達美和子代表取締役社長▽森ビル・辻慎吾代表取締役社長▽ヤマダホームズ・小林辰夫代表取締役会長兼社長▽リストデベロップメント・木内寛之代表取締役社長▽レオパレス21・宮尾文也代表取締役社長 (社名五十音順、計51社・回答51人)

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