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プレミアム会員限定新年特集 成長へ新たな選択肢 持続可能性を追う 既存・新規も本格注力 ホテル収益力に期待

住宅新報 2026年1月6日 号 23面

総合
  • 新年特集   成長へ新たな選択肢 持続可能性を追う 既存・新規も本格注力 ホテル収益力に期待

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 日鉄興和不動産は24年3月、ホテル事業の第1弾として東京都台東区に、訪日外国人や国内ファミリー、グループ旅行など長期・多人数での宿泊ニーズをとらえたレジデンシャルホテル「&Here TOKYO UENO(アンドヒア東京上野)」を開業した。25年4月に「アンドヒア大阪難波」、9月には「アンドヒア新宿」と続いた。

 勝瀬部長は「インバウンド需要の拡大に伴ってADR(客室平均単価)は上昇している。上野店は当初の年間計画よりも大幅に過達した実績を残した。その後もADR、稼働共に伸びている。大阪難波、新宿も非常に順調に推移している」と新規参入後の景況感を振り返る。

 3店とも宿泊客の9割がインバウンド。当初は3割を国内客と想定していたが、ADRが高騰した結果だ。おおよそ上野で6万円、大阪難波は4.4万円、新宿6.1万円だという。

 18年から事業領域の拡大を模索する中で、政府が打ち出したインバウンド誘致に呼応するように、レジデンシャルホテルに商機を見いだし参入を決めた。コンセプトは「多人数で泊まれるホテル」。主要都市で3人以上が宿泊可能な客室は、全体の4%程度。その後、出鼻をくじくかのようにコロナが襲来したが「一過性のものと考え、上野の土地を取得するなどして計画を進めた。そのため建築費高騰前にゼネコンとも契約できた」(勝瀬部長、以下同)。

 更に「ホテルは他のアセット以上にオペレーションが商品の差別化につながるので、そこまでやらないと今後の事業拡大は難しいと判断した。外部からも人材を招へいし、100%出資子会社のNSKREホスピタリティを立ち上げた」。これが今の好結果を生み出した要因になっていると指摘する。

運営受託を拡大

 現在、開業済みの3棟に加え、計画中の案件が12棟。今後は年2棟ペースで、アンドヒアブランドを開発していくという。「30年までに合計16棟、1500室を目指す」。

 建築費高騰は障害にはならないのか。「上野店開発時の倍になっている。それ以上にADRが上昇しているので、価格転嫁が可能と見込んでいる。とはいえ限界に近付きつつある」。社内的な問題も浮上している。社全体のポートフォリオで見た時に、ホテルアセット残高が積みあがってきているという。

 そこで、土地の取得は単純入札だけでなく、築古の既存ビルを取得して開発する手法も取っている。築浅の良好なオフィスを取得し、コンバージョンにも挑戦したいという。

 客室数の増やし方も自社開発に限定せず、運営受託による拡大も検討している。「レジデンシャルホテル運営のプレーヤーは多くないので、受託依頼の問い合わせが多数ある。場合によっては、アセット自体の売却も選択肢。ただし運営受託を残しながら、不動産アセットとしてビジネスを拡大していく」。

 今後の課題を尋ねると「建築費高騰に加え、他社の参入で競争が激化し、つくれば埋まるという状況ではなくなる。ADRも高騰しており、もう少しサービスが欲しいという声も若干出てきている」といい、サービスを省力化しながら居心地のよい環境を提供するのがコンセプトではあるが、顧客満足度と料金の折り合いを見極めていく必要があるという。

 業界全体でいわれる人材不足に関しては「外注や機械化で対応しており、上手くいっている。外国人スタッフも新卒で採用し、一から学んでもらう体制を取っている。多言語対応が競合相手との差別化にもなっている」。

 やはり運営会社を持っていることが最大の強みだ。「日々改善しながら実績を積み上げている。他社が追い付けないレベルまで進化を続けている」。

分譲型も販売順調

 同社がもう一つの柱として位置付けるのは、分譲型のホテル事業だ。他社と共同で、沖縄県の本部町と恩納村で開発を進めている。区分所有型のコンドミニアムで、購入者は自身で滞在しながら、利用しない期間はホテルとして貸し出す運用方式だ。販売価格は3.2億円超のものも。「建築費のあおりを受けたものの、契約ベースで恩納村は半数程度、本部は4割程度と販売は順調」だという。

 「別荘やリゾートマンションは、メンテナスを自らやらなければならず、利用しない期間は何の収益も生まない課題を解決し、更に減価償却も取れるため、富裕層、経営者のニーズにマッチしている」。今は一定のニーズが見込める熱海、箱根、軽井沢などで次の候補地を探索中だ。

 「ホテル事業は始まったばかりで売り上げに占める割合は数%だが、30年以降には一定の収益貢献ができるようにしたい」と勝瀬部長は展望を語る。

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