新年特集 成長へ新たな選択肢 持続可能性を追う 空き家は余っていない 求められる不動産流通の役割転換
住宅新報 2026年1月6日 号 22面
空き家問題が深刻化している。全国の空き家数は900万戸規模に達し、今後も増加が見込まれる。だが、この問題を単純に「住宅が余っているから」と捉えるのは正確ではない。多くの空き家は、売却も解体もされないまま、意思決定が止まっている住宅である。
売りたくはない。だが住む予定もない。解体するほどの資金的余裕もない。こうした所有者の心理と事情が重なり、空き家は市場に出ることなく滞留してきた。そして、その滞留を引き受ける役割を、これまで業界は十分に担ってこなかった。
売りたい人と買いたい人をつなぐ――それが従来の主な役割だった。市場に出た物件を流通させる機能は高度化してきた一方で、「出てこない住宅」をどう動かすかという領域は、制度的にも職能的にも空白だった。その結果、「解体か売却か」という二択が事実上の王道となり、それ以外の選択肢は現実味を持たなかった。























