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社説 日銀動く、政策金利0.75% 最終的な着地点を示す時

住宅新報 2025年12月23日 号 2面

連載: 社説「住宅新報の提言」

政策
社説 日銀動く、政策金利0.75% 最終的な着地点を示す時

 日銀が12月18、19日に開いた金融政策決定会合で政策金利を0.5%から0.75%程度に引き上げた。今年1月の引き上げから据え置きが続いていたが、いよいよ本格的な利上げのサインなのか。2026年は午(うま)年。相場格言によれば、辰巳天井、午尻下がり、である。金利が駆け上がり、住宅・不動産業界にとって正念場の始まりとなる1年を迎えるのか。

 先行きを展望するうえで重要な論点は、利上げによる経済への影響がどのように反映されるかだ。前回10月会合までの日銀・植田総裁は、目先の拙速な利上げに慎重な姿勢であったが、足元で日経平均が5万円前後で推移するなど株高が続いているうえに、米国の関税政策の影響も想定を下回る状況にある。その米国の労働市場には軟化が見られるものの年末商戦は好調で、米国経済が急速に落ち込む観測が後退し、その中で米国は12月に3会合連続となる利下げを決めた。国内経済の底堅さと米国経済の見合いで、植田総裁は今を逃しては利上げができなくなると踏んだのは致し方がないところ。

 翻って住宅・不動産各社にとっては、有利子負債を多く抱えているだけに利上げに対して慎重な姿勢にならざるを得ない。多くの人が利用する住宅ローン変動型金利にも影響する。仮に金利の急上昇で景気が減速したりすれば、分譲マンションを始めとする不動産価格に本格的な調整局面が入る可能性をリスクシナリオとして意識せざるを得ない。不動産会社以上に借り入れに依存するJリートにとっての影響は大きく、今春以降に盛り返してきた市況に水を差しかねない。円安退治の効果が行き過ぎて円高が急速に進行すれば、海外投資家の撤退も始まり、投資マネーの流出へとアクセルが踏み込まれることになろう。

 今期と次期の業績への影響は、既に契約が進んでいるため影響は軽微で済むが、27年度以降に利益への圧迫が顕在化する恐れがあり、とりわけマンション比率の高い不動産会社は、相対的に価格調整局面でのリスクが高まる。半面、総合不動産会社は、固定資産売却や政策保有株の売却など本業での利益圧迫を補完できるオプションが多い。事業領域が広いことが強みを発揮し、大手の寡占化が加速することにもつながる。

 もっとも、今後のシナリオとしては、金利が駆け上がることはないとの見方が大勢ではある。政策金利を0.25%引き上げたが、なおゼロ水域に浸っている状態であることを考えれば、不動産の投資利回りと借入金利の差が十分に取れる状況だ。諸外国と比べて調達コストの安い日本に資金が集まる構図が揺らぐ公算も小さいとみられる。だが日銀が目指す景気を刺激もせず、冷やしもしない、とされる中立金利の水準がどこなのか。経済と物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げていくとみられる中で明確に示すべきであろう。

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