古民家宿の物語 日本全国リノベーション 120 神奈川県三浦市「三浦半島の旅宿 三崎宿」 (上) 〝町に泊まる〟選択肢を創出
住宅新報 2025年12月16日 号 15面

地域の象徴を残す
三浦半島の南端、三崎漁港のすぐそばに広がる商店街の入り口。かつて船に酒を卸していた「山田屋酒店」は、地域の象徴として長年親しまれてきた老舗だった。実際に訪ねると、漁港の目の前で、バスロータリーがある中心的な場所に位置し、町の顔そのものといえる存在だ。
その山田屋が閉業し、建物が取り壊されるかもしれない――そんな話を耳にしたのは、近所で飲食店や観光業を営んでいたメンバーたちだった。商店街のにぎわいが失われ、夕方になると人影が消えてしまう。そんな現状に危機感を抱いていた彼らは、「このまま町の象徴がなくなっていいのか」「三崎の活気をもう一度取り戻したい」という思いから、建物の引き取りを決意。まずは酒屋としての営業を再開させ、町の灯を守ることから動き出した。






















