ニュースが分かる! Q&A フリーランス新法と取適法 双方の持続的な成長のために
住宅新報 2025年11月25日 号 20面
連載: ニュースが分かる!Q&A

下請け建設会社A 従前の下請法(下請代金支払遅延等防止法)に代わり、26年1月1日からは取適法(中小受託取引適正化法、製造委託等に係る中小受託事業に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)が施行される。
フリーライターB 私のようなフリーのライターやデザイナー、エンジニアなどの働き方をする人を対象とするフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、24年11月1日に施行された。その解釈ガイドラインは、26年1月1日に適用される。従前の下請法ではカバーができなかった小さな事業者のために、発注主に新たな義務や禁止事項が設けられた。不当な取引から保護する目的がある。
A 下請けやフリーランスは、弱い立場になりやすい。元請けや発注主からは、ずいぶん泣かされた場面が少なくなかった。
B フリーランス新法は、従業員を使用していない個人事業主や、役員や従業員のいない代表者1人だけの法人の特定受託事業者が対象となる。この従業員にはパートやアルバイトも含まれる。つまり、従業員の「雇用の有無」が適用の判断基準になる。従業員のいる受注者はフリーランス新法の適用対象外となる。一方、従業員を使用している発注主が特定業務委託事業となり、従業員のいない発注主はフリーランス新法の適用対象外となるということだな。
A 取適法では3億円を境とした資本金の基準に加え、常時使用する従業員の〝300人基準〟が導入される。特定業務委託事業者は300人超、特定受託事業者は300人以下が対象となる。ただ、情報処理成果物や役務提供では100人基準となる。
B フリーランス新法の特定業務委託事業者には、6つの義務が課せられた。取引条件を書面やメールで速やかに明示しなければならない。成果物の内容や報酬額、支払期日を明確にする必要がある。書面化することでトラブルを防げる。口頭による方法や曖昧な内容は認められない。
A ただの電話1本による〝口約束〟が、これまでは少なくなかったからな。
B フリーランスに対する一定期間以上(政令で1カ月以上)の継続的な業務委託契約では、途中で解約する場合や更新をしない場合に、30日前の予告義務を発注主に課している。更に発注主には、相談窓口の設置などでハラスメント対策の体制整備が求められ、努力義務だが育児介護にも配慮する必要がある。
A 正社員と同等レベルの保護を整える必要があるな。
B フリーランスに対する報酬の支払い期日は、成果物を受領した日を起点に、60日以内のできる限り短い期間内に設定する義務がある。
A 取適法でも、納品や役務の提供後の完了日を起点に全額を現金化できる形の支払い方法が義務付けられる。手形は、事実上で使えなくなるな。従来の月末締めの翌々月の10日払いなどの方法では、違法となる可能性がある。協議に応じない一方的な代金の決定も禁止される。価格の据え置きが理由であっても、十分な説明が必要になる。価格自体も適正にしなければならないが、更には、交渉の「プロセス自体」を適正に実施することが必要になってきた。
B 金額交渉は不透明で曖昧になりがちだったからな。
A とかく支払いの段階になってから、「次の仕事も回すから」などと、うまく言いくるめられ、当初の金額の8掛けや7掛けなどでしか支払われないことがあったな。こちらは次も受注したいから、結局は泣き寝入りだった。
B フリーランス新法でも、特定受託事業者側に責任がないにも関わらず、成果物の受領の拒否や返品、報酬の減額、不当な経済上の利益提供の要請が禁止されている。落ち度がないにも関わらず、無償のやり直しの強制も禁じられている。
A 従前の発注主や元請け事業者は、新たなルールの適用要件に合わせ、契約書の見直しや支払いサイトの運用の変更などが求められている。従来のような「上下関係」ではなく「対等な立場」で取引に臨むよう、社内での意識啓発も重要になる。適正な取引を通じた信頼関係を構築することで、パートナーシップを強化できれば、双方の持続可能な成長につながる。






















