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プレミアム会員限定不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編247 競売で賃貸物件を入札する際のポイントは?

住宅新報 2025年11月25日 号 19面

連載: 不動産取引現場での意外な誤解

総合
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編247 競売で賃貸物件を入札する際のポイントは?

Q.当社は業務拡大のため、自社物件による賃貸事業のため、競売物件の取得を検討しています。改めて抵当権の内容や賃借権との関係を確認させて下さい。

A.まず、抵当権とは、その抵当権者が債務者または第三者から占有を移転しないで債務の担保として提供された不動産を、他の債権者に先立って自己の債務の弁済に充当することができる権利のことで(民法369条)、原則として競売手続によって債権の回収を図っていく権利です(民事執行法180条)。したがって、抵当権者は、債務者に債務不履行がない限り、抵当不動産の所有者である債務者等がその所有不動産を賃貸したり、自ら使用収益することについて原則として異議を唱えることはできません。

Q.それはなぜでしょう。

A.抵当権とは、前述の通り、その抵当不動産の占有を債権者に移転せずに担保提供してもらう権利ですから、その抵当不動産の使用収益権や処分権は、原則その所有者である債務者あるいは第三者にあるということです。したがって、その抵当不動産が賃貸アパートなどの場合、入居者がいる状態のまま抵当権を設定できますし、そのまま売却もできるということです。

Q.そのような賃貸アパートなどが競売市場に出てきたときに、当社がそれをどのように考えるかが問題になるわけですね。

A.はい。つまり、そのような物件を、貴社が入居者のいる状態で競落し、そのまま自社の賃貸物件として賃貸経営を続けていくか、それとも多少の費用と時間をかけても明け渡しをしてもらい、新たな賃貸物件としてリフォームあるいは建て替えた上で賃貸経営をしていくかの判断が必要になるということです。

 そのための必要な知識が、以前、賃貸編第217.218回で伝えた通りです。競売を申し立てた抵当権者の抵当権設定登記の日と入居している賃借人の入居の日(引渡し日)のいずれが先かによって、その両者の対抗関係の優劣が決まります。そのための基礎資料(裁判所備付けの物件明細書等)をよく確認し、抵当権者に対抗できる入居者が多いようであれば、そのための明渡し費用と時間が余分にかかることを考慮した上で入札に参加する必要があるということです。

渡邊不動産取引法実務研究所 代表 渡邊 秀男

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