政府税調が高市総理就任後の初会合 EBPM「不断の推進」
住宅新報 2025年11月25日 号 3面
ローン減税検証では慎重意見も
政府税調の総会後に財務省内で会見を開いた翁会長は、高市総理から「租特について、データに基づく政策効果の検証を行いつつ、不断に点検していくことが大切であること、併せて当調査会において、関連省庁とも連携しつつ税制に係るEBPMの議論を更に進めてもらいたいとの話があった」と改めて説明。これを踏まえ、「引き続き中長期的な視点から、税制のあり方について議論していきたい」と語った。
また、年末へ向け26年度の税制改正議論が進んでいるが、「租特の見直しは、短期的にも中長期的にも大事なテーマ。様々な税制について、EBPMを大事にしながらデータによる検証を更に深め、広げていきたい」との方針を説明。併せて、その成果を「時期や(提言などの)形式は決まっていないが、何らかの形でまとめていく」とし、政府・与党の税制改正検討への反映も見込む。
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今回の政府税調総会では、住宅ローン減税を始めとした個別の租特についての言及はなく、高市政権における税制検証の考え方と方向性を示し、政府税調側も基本的に共同歩調をとる姿勢の表明にとどまった。
一方で、高市総理と翁会長が口をそろえて「EBPM」重視の考えを強調したことは、ローン減税をめぐる議論に相応の影響を及ぼすと考えられる。その大きな理由の一つが、政府税調内の有識者会議「税制のEBPMに関する専門家会合」での議論だ。
5月21日に開かれた同専門家会合では、「住宅ローン控除・リフォーム税制」を議題の一つとして挙げた。そして国土交通省は、「住宅税制のEBPMに関する有識者会議」での議論を基に、ローン減税等に関する税制の効果検証を提示。同省による意識調査や不動産協会の調査等を踏まえ、ローン減税が住宅取得を促進したという趣旨の分析を紹介した。
同専門家会合の議事録によると、これらのデータ・分析に対し、委員からは懐疑的な意見が相次いだ。具体的には、まず「国交省のアンケートは、既に住宅を購入した人が対象で生存バイアス(今週のことば)がかかったデータのため、数値評価に適さないリスクがある」「(一部根拠データに対し)我田引水的な印象を受ける」というEBPMの根拠への言及がある。
更に、ローン減税自体への批判的な意見もある。財政学でローン減税の問題点が指摘されていることを踏まえ、学術的な分析がなければ「意味のあるEBPMということにはならないのでは」としたほか、プラスの外部性と税収減の規模が釣り合わず、「この住宅ローン減税は、廃止なり圧縮が望ましいということになる」という発言もあった。
この他にも、住生活基本計画や都市政策、既存住宅流通・活用推進との整合性なども指摘されていた。国交省側はこれらに対し、客観的なデータ収集や分析、財政学や経済学の観点からの対応について、今後検討と議論を進めていく考えを示している。
政府・与党が、今後の税制改正へ向けて、政府税調の指摘をどの程度盛り込んでいくかはまだ不透明だ。しかし、ローン減税の見直しを迫る要因となることは否定できない。住宅業界としては今後一層、ローン減税等の妥当性について客観的な根拠を示す努力が求められるだろう。




























