ニュースが分かる! Q&A 「リープフロッグ」で〝最新〟を享受する カエルのように一足飛びに
住宅新報 2025年10月7日 号 22面
連載: ニュースが分かる!Q&A

不動産事業者A DX時代でも、各社では、従来の業務慣行にとらわれたままだ。現状でも特段に不便には感じないために、従前の紙ベースでの業務が続いている。
旧友B 不動産業界では価格・賃料査定や入居の申込受付、電子契約などで、業務のデジタル化が進展していると思ったが。確かにデジタル化で二の足を踏む企業は多い。
A 数年前と比べると、最新のテクノロジーは、目を見張るほどに飛躍的に進化している。これまで断念していた最新ITツールを今こそ使い始めれば〝リープフロッグ〟の恩恵を享受できると思う。
B リープフロッグとは、どういう意味?
A 従前の技術を経ずに、いきなり最新の技術に到達することを『リープフロッグ現象』と言う。カエル(frog)が一足飛びに跳ねる(leap)イメージで従前の段階を大きく飛び越えるという意味だ。例えば、アフリカでは固定電話の前に携帯電話が普及した。先進国で普及済みの設備に段階的に追随する必要がなく、最新の技術や制度上に到達できる。広大な陸地での電話線網の整備は莫大なコストと膨大な時間を要する。一方で携帯電話は比較的に小さな基地局の設置で使える。道路の整備や混雑状況から、輸送網が脆弱でも、最近は、コストを抑えてドローン(無人航空機)を使える。荷物の配送に加え、人では困難な場所の巡回や警備、被災者の発見など、すぐに最新のドローンを比較的に誰でも容易に使えるようになった。
B 新興国では携帯電話の普及で、銀行口座が普及する前に、電子決済サービスがすぐに使えるようになった。広大な国土の中国でも、スマートフォンでのキャッシュレス決済の比率が高いというな。
A 既に先進国で最新の技術が開発されている。一層使いやすい機能の更新や改良も進む。また、そもそも従前の大がかりなIT設備や機器も特別に必要なくなってきた。大きな設備を入れ替える手間がなく、いきなり、コンパクトな最新機器をすぐに導入できる時代になった。遅れていることに不安がらず、後追いして活用するからこそ、本来は必要だった開発や整備のためのコストや時間を削減しつつ最新の技術を享受できる。
B それは、ビジネスの世界でも同じことが言えるな。
A 大手企業が開発するような大規模なシステムの開発が必要ない小回りの効く中小企業は、コンパクトな機器でも大手企業が持つ技術に匹敵するような〝最新〟を使えるようになった。不動産業界では電話、ファクスの従来ツールに代わり、インターネットを経由して、IT企業が開発したソフトウェアにアクセスして自在に使える〝SaaSサービス〟が普及し始めている。これまではITの活用で及び腰だった中小企業こそ、最新の技術の恩恵を受ける効果が大きくなる。
B 不動産業務の入力、紙の印刷、封入、郵送、ファイル管理などを段階的に電子化しなくても、すぐに一気通貫にデジタル化ができるようになったようだな。行政機関に申請手続きで都度、入手していた登記情報などの不動産関連情報は、インターネットで入手が可能になった。
A 国土交通省が運営する『不動産情報ライブラリ』は不動産取引に必要な様々な関連情報を網羅的、一元的に提供している。番号を付与して一意に物件を特定する『不動産ID』を活用すれば物件住所などの〝表記上の揺れ〟もなく、重複作業をなくせる。
B DX時代は、顧客ニーズの傾向などを知り、新しい価値を創出するためにデータが要になるという。自社内だけのデータの収集や整理ならば可能かもしれない。ただ、自社の力だけで、他社や社会などにあふれている様々な情報データを整備するとなれば、膨大な作業を要する。特に中小企業では不可能だ。
A ITツールだけではなく例えば、3D(3次元)プリンター住宅は、従来の工法での熟練者を要せずに、それを飛び越せる。柔軟な施工対応で短工期、低コストを実現し、量産が可能になる。IT化やDX化が遅れていた企業こそ真剣にこれから取り組めば、一足飛びに最新技術を駆使し、高い効果を得られる。最新技術がすぐに自社の標準になる。競争力のある企業に〝飛べる〟ようになる。






















