ニュースが分かる! Q&A 5年に1度の住生活総合調査 戸建ての定期点検が低調
住宅新報 2025年9月23日 号 16面
連載: ニュースが分かる!Q&A

業者 先日リフォームしたお風呂場、いかがですか。不具合などはありませんか。
顧客 やあ。全く問題はないし、実に快適だよ。こんなことなら、もっと早くリフォームすれば良かったな。
業者 それは幸いです。費用の問題もありますが、やはりご自宅の定期的な点検はおすすめしたいですね。
顧客 その節はすまなかったね。まさか、あんなに急に給湯器が壊れるとは。設備の定期点検って大事だねえ。
業者 お客様に限らず、特に困り事がない限り、ご自宅の状態をチェックしていない人は多いですよ。国土交通省が先月末、23年度「住生活総合調査」の「確報集計」を公表したのですが、その調査結果の中でも、その傾向は如実に表れていました。
顧客 ほうほう。何だか面白そうな調査だな。
業者 住宅や居住環境に対する住まい手の意向などを調べて、住生活に関する国の政策の基礎資料とするために、国交省が5年ごとに行っている調査です。今年1月に「速報集計」が公表されていますが、今回の確報では数字の精査等と併せて、速報では出ていなかった項目も載っているのですよ。
顧客 じゃあその、追加発表の項目に、家の点検についての調査もあるのかな。
業者 おっしゃる通りです。今回新たに追加された項目として、確報で初めて公表された「維持管理の実態」が、我々リフォーム事業者としては興味深かったのですよ。それによると、持ち家を「定期的に点検している」人は25.2%、全体の4分の1しかいないのです。圧倒的多数派は「不具合が生じた際に修繕をしている」の73.6%です。
顧客 本当に、僕と同じような人が多いのだなあ。
業者 更に興味深いのは、この「持ち家を定期的に点検」する世帯を住宅種別で分けると、「戸建て」は22.1%で、「共同住宅・長屋建て」が41.3%と、非常に大きな差が見られるんです。
顧客 なるほど、マンションなどは大抵、定期点検の仕組みを持っているからかな。
業者 調査では要因までは分析していませんが、そう考えて良いでしょう。これは、他の回答項目についても同じ傾向が見られます。例えば、先ほどの「不具合発生時に修繕」は、戸建てが75.7%に上る一方、共同住宅等は62.6%にとどまります。多いことは多いですが、4割近くは不具合が起きる前に対応しているということではないでしょうか。
顧客 定期に点検していれば、真冬に給湯器が壊れて散々な目にあうことも減るのだね。
業者 経験上、大幅に減ると思いますよ。この他では、「更新時期(修繕等が必要といわれる時期)を把握している」が戸建て14.1%、共同住宅等22.2%。「修繕等の費用を確保している」は戸建て16.7%、共同住宅等32.6%という結果も、それぞれポイントだと思います。
顧客 どちらも、安定して確実に住宅をメンテナンスしていくためには大事なことだろうね。
業者 もちろん、戸建てはそういった対応を自分で決められる自由度も大きなメリットですが、暮らしの安心のためには、一定のルールや仕組みがあったほうが確実でしょう。例えば、長期優良住宅は定期点検が必須とされていますが、建物の性能だけでなく、定期的な点検の重要性も踏まえた制度と言えますね。
顧客 それに、しっかり管理や修繕をしている住宅のほうが、売る時にも評価されやすいのだろうね。
業者 確かに近年は、「マンションは管理を買え」という考え方も徐々に広がっているようです。ただ正直なところ、戸建ては長期優良住宅でも売却価格にそれほど差が見られない、というのが実情ではありますが……。
顧客 ところで、さっきの調査結果で気になったのだけれど。「修繕等の費用を確保している」共同住宅等が32.6%というのは、戸建てよりは高いけれど、7割近くのマンション等が修繕費用を確保できていないって、それ大丈夫なのかな。
業者 これも国交省の分析などは出ていないので詳細は分かりませんが、確かにそう考えると怖いですね。将来、廃墟マンションが増えないように、ぜひ対策を進めてほしいところです。






















