ニュースが分かる! Q&A 不動産業界とコンプライアンス 根底にある課題って何?
住宅新報 2025年9月16日 号 18面
連載: ニュースが分かる!Q&A
先輩記者 不動産流通プロフェッショナル協会(FRP)はコンプライアンスにとても熱心だけど、根底にある課題は何だろう。
後輩記者 不動産業界の特性が大いに関係しているようです。この協会はコンプライアンスを極めることで社会や依頼者の信頼を得て業界の地位を向上させることを目的に、「プロフェッショナルプレイヤー・フィロソフィー講座」を開催していますが、先日の講座でそうした話を聞きました。
先輩 どうだったの?
後輩 不動産業務と一口に言っても、開発、販売、仲介(売買・賃貸)、賃貸管理と多様で、それぞれの営業マンが守るべき倫理も様々ということです。例えば開発では取引相手もプロであることが普通なので個人(素人)相手の仕事とは質が違います。販売では自社のマンションを買いに来た人に「あなたにはこのマンションは向いていません」とは言えないでしょう。賃貸管理部門の営業相手は地主や家主さんで個人ではあっても事業者でもあるので全くの素人とも言えません。
先輩 そうだね。
後輩 そいうこともあり、同協会が問題にしているのは個人間の住宅売買仲介をする人たちのコンプライアンス(職業倫理)はどうあるべきかという問題です。登壇した講師は、「売買仲介では営業担当者の〝価格助言業務〟が大きい。最大の仕事だ」と言っていました。確かにそうですよね。要するに、売主はなるべく高く売りたいし、買主は少しでも安く買いたいわけですから。
先輩 そのため、利害が全く相反する取引を一人の営業担当者が行う両手仲介の是非が昔から議論になっている。
後輩 そうですね。結局、仲介におけるコンプライアンスの問題をややこしくしているのは、日本の風土として〝信用〟や〝ブランド力〟は会社が担い、個人(営業担当者)は重視されていないところに根本的問題があるようです。
先輩 宅建士の数が「従業員の5人に1人」でいいというのも、結局従業員ではなく、会社が責任を持つという前提があるからだよね。
後輩 そこをこれからは信頼の源泉を会社ではなく個々の営業担当者(エージェント)にシフトさせていくことが大切というのがFRPの主張になっています。
先輩 でも、個々のエージェントの信頼性というのは、どのようにして担保すればいいのかな。企業の場合は大企業の看板が大きいけどね。
後輩 それは突き詰めると紹介(口コミ)ではないでしょうか。米国の場合も最初は大変で、パーティーや地域の行事に足しげく通って顔を売りながら徐々に紹介を増やしていくそうです。ですから、仕事は完璧に行い依頼者に満足してもらわなければなりません。コンプライアンスは当然のごとく守られます。日本では営業マンの力というより、主に会社のブランド力で集客しているわけです。
先輩 なるほど、全く土壌が違うよね。それにしても、日本のエージェントが顧客から信頼されるようになるためのシステム作りはどうすればいいのかな。
後輩 そこが最大のポイントです。日本でも多数のエージェントの中から物件の特徴や依頼者の希望に合ったベストパートナーを見つけるマッチングサービスが登場していますが。
先輩 そういった依頼者とエージェントをつなぐマッチングサイトが、もっと数多く大規模に登場するようになったら面白いよね。
後輩 そうですね。仲介業務は依頼者にとって一番大事な価格についての助言ができる仕事です。そういうやりがいのある仕事にこれからの若い人たちが集まり、〝有名エージェント〟を目指して努力してくれるといいですね。
























