ニュースが分かる! Q&A 東証REIT指数1900ポイント回復 解散価値より低い状況 二毛作で脱却へ
住宅新報 2025年9月2日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A
記者 金利上昇局面なのにJリートの投資口価格が上昇トレンドを描いています。東証REIT指数は1900ポイントまで回復しました。何が評価されているのでしょうか。
アナリスト 端的に言えばインフレ耐性に強いという昔ながらの不動産市場が見直されたと言えるでしょうね。
以前は不動産価格が上昇してもオフィスビルの賃料や住宅の家賃が同じように上昇することはありませんでした。これを賃料の粘着性と言って景気が良くても悪くても大きくぶれない、ということでデフレ経済下では価格ほど落ち込まないとポジティブに評価されていました。
記者 その前提が変わったということですか。
アナリスト そうですね。賃料も大きく切り上げており、従来の粘着性を脱して不動産価格が上がると同じように賃料が上振れることに期待が持てるようになりました。このためJリートの投資口を買う機関投資家たちは、利上げ環境にあっても賃料上昇がそれを十分に吸収できると判断しているようです。
記者 今年はアクティビスト(モノ言う投資主=株主)によるTOBが注目を集めました。結果的に成功はしませんでしたが、その影響も反映されているのでしょうか。
アナリスト 割安に放置したままだと危険だということを再認識しました。保有不動産の純資産価値(NAV)に対して投資口価格が何倍になっているかを評価するNAV倍率を見ると、1倍割れがほとんど。これは、投資法人が事業を継続して得る価値よりも、解散によって分配される金額の方が高い状態を指していることになります。
そこにモノ言う株主が登場しまして、割安を放置したままでは食われると、危機感を強めて投資口を意識した経営を打ち出してきました。その一つが自己投資口の取得です。一般株式市場で言う自社株買いに当たります。
記者 そもそもJリート各社が運用する物件の不動産ファンダメンタルズを見ると、売買と賃貸の両マーケット共に良好ですよね。
アナリスト NAVよりも割高な不動産を売却し、そのお金を使ってNAVよりも割安なリートを購入する。つまり、不動産価格と鑑定評価額との差額、そこに自己投資口買いをする二毛作が奏功して投資口価格を切り上げています。Jリートが成長するためには2つの方法があります。賃料を上げて収益力を高める内部成長と呼ばれる方法と、不動産を購入して運用物件数を増やすことで賃料収入の源泉を増やす外部成長です。内部成長、外部成長に加えて、テクニカルな財務戦略により高配当を実現していきます。
記者 直近のJリート決算を見ていると、ポートフォリオの再構築に軸足を置き、収益性の低い物件を手放し、収益増大に貢献する資産に入れ替える動きが活発ですね。
アナリスト 不動産市場のほうが金融市場(調達コスト)よりも割高なのであれば、割高を売却して割安を買うのは正しい資産運用をしている結果ではないでしょうか。
記者 賃貸運用が振るわないのに売却益等で分配金が増える、つまり増配をするリートも少なくありませんが。
アナリスト 見せかけの利益という側面があろうかと思います。分配金が上がるのはポジティブなのですが、分配金の質みたいなところは見ないといけないでしょうね。
























