「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ 第81回 「ホームステージング白書2024」を読み解く(2)
住宅新報 2025年8月26日 号 12面

前回に続いて今月発行された「ホームステージング白書2024」(一般社団法人日本ホームステージング協会)について見ていきたい。
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前回は賃貸の現場でホームステージングを実施する基準としていわゆる「決まりにくい」物件や「空室が長引いた」物件に行うという回答が多かったことを紹介した。また、実施のタイミングとしては「内見が少ない」場合や「家賃を下げる前」が多かった。つまり、賃貸におけるホームステージングは競争力の無い物件に対して行うものという認識が多いということになる。今回はホームステージングのコストや実施方法、成果について見ていきたい。
「物件あたりのホームステージング費用は家賃の約何カ月分」という問いに対しては「家賃の1カ月分」が約33%(割合は筆者による小数点以下四捨五入で以下同様とする)、「家賃の1.5カ月分」が約33%で同じ割合、「家賃の半月分以下」が約17%と上位の半分ほどとなっている。1カ月から1.5カ月分がかかるのが標準的なコストであり、これは筆者の経験からも同意できる。逆にこれより少ない予算で十分な成果が出るかは疑問である。
次に「ホームステージングの実施方法」としては「自社で小物だけのホームステージングを実施」が約46%、「自社で家具・小物を用意して実施」が約45%、「バーチャルステージングを実施」が約24%、「専門業者に依頼」が約20%となっている。やはりコストやスピードの点において自社での実施が多いようである。先の問いとも合わせて見ると、自社であれば家賃の1カ月を基準としてすみやかに実施ができるということであろう。
最後に成果の部分を見ていく。「成約までの平均期間」では「2カ月以内」が約31%、「1カ月以内」が約30%、「2週間以内」が約20%となっており、約6割が2カ月以内で成約していることがわかる。次に「ホームステージング導入による賃料の変化」では「1~4%値上げできた」が50%、「ほぼ変わらない」が約32%、「5%以上値上げできた」が約11%となっている。半数が値上げにもつながっている。
昨年筆者はホームステージング発祥の地である米国シアトルに滞在し、本場のホームステージングを見てきた。すべて既存住宅を売却する場合であったが、ほとんどの物件にホームステージングが実施されていた。 また、「決まりにくい」から実施しているというよりは、それが「物件の評価を上げることにつながる」から実施しているようであった。コストがペイしやすい売買ならではかもしれないが、このような考え方もある。賃貸でも応用できるのではないだろうか。
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【プロフィール】
おきの・げん 日大大学院修了。不動産コンサルタント兼不動産系研究者。不動産実務検定講師。リーシングジャパン代表取締役。執筆・講演多数。






















