ニュースが分かる! Q&A 物価高で自宅所有に慎重姿勢 自衛意識と対応策の備えを
住宅新報 2025年8月5日 号 14面
連載: ニュースが分かる!Q&A
デスク 猛暑、酷暑に物価高…。最近は数字を見るだけで体がほてってきそうだよ。
記者 バカンスに行くにも費用は高いし、今年は自宅でエアコンとのんびり過ごす夏です。光熱費の負担もばかになりません。
デスク 負担ばかり目について、先行きに安心感が持てないことが心配の種だね。当然、住宅・不動産購入へも影響してくる話だ。
記者 消費者調査でも「住宅所有」に慎重な判断が求められていることが分かります。AndDoホールディングスが実施した調査では、不動産の売却理由として「住み替え(23.3%)」に次ぐ「不要物件の処分(19.1%)」の割合が前回調査から4.7ポイント増加。一方、購入理由では、前回調査で同率1位(12.4%)だった「賃貸の家賃がもったいない」が2.9ポイント減らし5位にダウン。物件価格の高騰や住宅ローン金利の上昇の影響が推測される結果となりました。
デスク ライフルが購入者・検討者に実施した住宅ローンに関する調査(25年7月)では、「変動金利」を組んでいる購入者は64.1%、購入検討者は56.0%で最多となった一方、その割合は減少した。住宅ローンの世帯年収倍率を見ると、検討者は「4倍未満」の選択率が52.5%(前回49.1%)と過半を超え、多額を借り入れることへの不安が増している状況だ。
記者 購入検討者の多くが、金利水準が低い変動金利での借り入れを希望していますが、その割合は56.0%(前回から1.3ポイント減)と金利上昇懸念を踏まえてわずかに低下。相対的に固定金利での借り入れを考えている購入検討者が44.0%(同1.3ポイント増)と増えています。
デスク 金利がまだ低いうちに、固定で借り入れようという意向が強まっている。
記者 実際に、住宅購入者の世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合は「3割以上」が21.7%(前回18.1%)と増加。住宅ローン返済額の割合が1割以上を占める人では「借入額を減らせばよかった」という回答も増えています。物件価格の高騰で生活費に占める住宅ローン返済額が膨らみ始めているようです。
デスク 「住宅ローンを払いきれるかの不安」は、購入者69.9%(前回67.8%)に対し、購入検討者は93.2%(同90.1%)となり、前回調査よりもかい離が広がった。また、固定金利以外のローンを利用している購入者に「金利上昇対策」を聞くと、何かしらの対策をしているのは6割で、具体的には「新NISAやiDeCo」「預貯金」などが挙げられている。
記者 一方で、「特に対策はしていない」という回答が最多の39.3%(前回から1.5ポイント増)を占めている点も注目です。完済への不安はありつつも、対策を打てていない人が一定数いるという事実に驚かされます。
デスク 同社は「物件購入前に詳細に比較検討して住宅ローンを選択し、審査を経て返済が始まると、金利上昇は考慮せず粛々と返済し続けるユーザーが少なくない」とした上で、「住宅ローン減税で10年もしくは13年間元本の0.7%が控除され、補助金制度もあってお得感が当面継続するため、あえて考えないようにしている可能性もある」と見ている。状況に応じて借り換えや繰り上げ返済などの対応策を取れるよう消費者側は備える必要がある。
記者 8月に入り、国交省の税制改正要望のとりまとめが近づいてきましたが、先般の参院選の影響がどう出てくるか。適用期限を迎える住宅ローン控除の行方など気がかりですが、そもそも恒久的措置ではないことを踏まえると、消費者は自宅を所有する意義や対策について真剣に認識を深める時期ですね。
























