制度は段階的導入見込む 表示、実施促進方策を議論 国交省・建築物LCA制度検討会
住宅新報 2025年7月22日 号 2面

建築物のLCCO2の削減は、「2050年カーボンニュートラル」へ向けた施策の一環として、政府としても重視している項目の一つ。4月には、建築物LCCO2削減に関する関係省庁連絡会議が「基本構想」を決定し、28年度を目安に建築物LCAの実施を促す制度の開始を目指すと表明した。現在は、その具体的な制度や指標のあり方について、国交省の有識者会議が議論を進めているという流れだ。なお、政府方針や各種用語等では「カーボン」が使用されているが、同検討会ではCO2に限らず、メタンや代替フロン等の温室効果ガス(GHG)全体を対象とした制度を検討する。
初期は規模等限定との意見
同検討会では、第1回会合で建築物LCA推進の目的や論点を整理。第2回会合では、「建築物LCAの実施及び表示を促す措置」をテーマとした議論を実施した。建築物LCAは事業者に相応の負担が生じること等もあり、一律に義務化するのではなく、「促進」に主眼を置いた誘導策を講じていく考え。それにより、LCAが一般的に実施される環境を整備し、LCCO2の削減につなげていく狙いだ。
「実施を促す措置」について国交省は、第1回会合における委員の意見を踏まえ、「一定の規模・用途に絞った上で段階的に導入すべき」「排出量規制ではなく、算定義務等から始めるべきでは」との方向性を示す。その上で、建築物LCAの一般化を図るために有効な制度設計や、制度導入の初期段階として妥当な規模・用途等の範囲等を論点として提示した。
対象建築物の規模・用途に対しては、委員から「新築2000m2以上の事務所、集合住宅等の着工前の算定報告義務、設計者の建築主への説明が考えられる」といった意見が挙がっている。この他の論点としては、現場の設計・施工実務を考慮した、算定の対象設定や負担軽減等が検討対象となっている。
「表示を促す措置」に関しては、事業者によるLCCO2削減努力の効果的な可視化を目指す。議論の要点としては、表示のニーズや必要なルール、新規表示制度の創設か既存制度の拡充か、といった項目が提示された。また、第三者機関による認証についても議論があり、必要性の有無は賛否両論あった模様だ。
9月に議論集約の素案
第3回会合では、主に「建築物のLCAに用いる原単位(今週のことば)の整備」がテーマとなった。実際の制度やLCAにおいて用いる、CO2原単位データ整備のあり方を検討する目的。具体的な論点は建築分野の専門的な内容となるが、特に制度開始初期はデータ利用側の使いやすさ、整備側の取り組みやすさを重視し、将来的には客観性や国際性を考慮したデータ整備に移行していく方針を示している。
同検討会は今後、8月4日に第4回会合を開き、これまでの論点の整理等を行う。9月には議論の中間集約(骨子)案を作成、議論し、26年1月頃に「中間取りまとめ」として公表する予定だ。


























