ニュースが分かる! Q&A 入居後支える「居住サポート住宅」 制度生かして経営強化へ
住宅新報 2025年6月17日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A
デスク 単身高齢者世帯は2030年に900万世帯に迫る見通しだ。高齢者や低所得者といった「住宅確保要配慮者(以下、要配慮者)」の賃貸住宅需要も高まると予想されるが、家主の拒否感が大きい。
記者 高齢者の入居拒否の理由としては、居室内での死亡事故等への不安が約9割とされます。孤独死や死亡後の残置物処理といった入居後の課題への不安が背景にあります。
デスク 一方、全国の空き家約900万戸のうち賃貸用は約443万戸といわれる。空室対策、事業の多角化という観点からも対応は不可避だ。
記者 そこで、家主と要配慮者の双方が安心して利用できる市場環境を整備するため、昨年5月に住宅セーフティネット(SN)法が改正されました。今年10月に施行されます。
デスク 改正法の目玉の一つが「居住サポート住宅」だ。住宅SN制度の枠組みの中で定められる高齢者向け賃貸住宅の新たな登録制度で、見守り等のサポートが受けられる賃貸住宅を対象とする。居住支援法人等が家主と連携し、要配慮者に住宅を供給する。国交省と厚労省の共管とし、福祉サービスと連携するのが特徴だ。
記者 人感センサーなどICT等による日常の安否確認や訪問等による見守りを実施。入居者の状況に応じ、福祉サービスや医療機関等と連携していきます。また、「貧困ビジネス」が入り込まないように、生活保護受給者が入居する場合の住宅扶助費(家賃)について代理納付を原則化した点も特徴的ですね。
デスク 自治体や居住支援法人などの福祉事務所が、生活保護受給者の住宅費を直接家主に支払うことにより、家主は家賃滞納リスクが回避できる。生活保護者にとっても生活の安定が実現する。計画の認定主体である自治体によって手続きや条件が異なる点に留意し、地域のケースワーカーに確認することは必要だね。
記者 家主や物件オーナーにとっては独身の入居者が亡くなった際の手続きをスムーズに進められる残置物処理の契約も画期的ですね。居住サポート住宅として認証を受けると、改修や修繕に補助金が活用できます。
デスク 例えば「駅から少し遠い」「築年数が古く空室が目立つ」といった物件を転用し、物件価値の向上と安定した収益確保につなげるということができそうだ。
記者 入居対象者はもともと「収入が不安定」「身寄りがない」といった属性のため、賃貸住宅への入居が難しい現状がありますが、要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国交大臣が認定する制度を創設し、家賃滞納に困らない仕組みも整備されます。定期的な見守りサポートといった入居後の生活支援も加わるので、社会的孤立やトラブルの抑止効果も期待されます。
デスク デメリットはないのだろうか。
記者 事務手続きの煩雑さや改装工事費用が高額になる場合が想定されます。補助金活用を含めたコスト認識は予め必要となりそうですね。今年10月の施行に向け、国もその特徴や認定基準、補助金などについて全国各地での説明会の開催準備を進めているようです。
デスク 制度活用の利点や留意点などの訴求強化を徹底し、業界の理解促進が図られることを期待したいね。使われる制度であることが、結局は入居者を始め、家主、不動産会社にとっても望まれるのだから。
























