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スタンダード会員限定昭和100年 戦後80年 節目 住宅・不動産業界  (2)新築分譲マンション市場の行方 所得との隔たり続く

住宅新報 2025年4月22日 号 1面

総合
  • 昭和100年 戦後80年 節目  住宅・不動産業界  (2)新築分譲マンション市場の行方 所得との隔たり続く

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  • 今後の金利動向がカギか

    2 / 2今後の金利動向がカギか

 不動産経済研究所特別顧問の高橋幸男氏によると、第1次マンションブームは敗戦から10年以上が経過した1950年代末から1964年までで、ブーム終焉のきっかけは東京オリンピック(1964年)後の緊縮財政がもたらした証券不況だったという。では2013年から既に10年以上も価格上昇が続いている現在のマンションブーム(同研究所では第5次)は今後どうなるのだろうか。

依然高値水準

 同研究所によると、第5次ブームが始まった13年から首都圏新築マンションのm2単価が上がり始め、その後も右肩上がりが続き、コロナ下では供給戸数こそ減少したものの単価は下がらず、それどころか23年には急上昇している。24年はその反動か、117.7万円で12年ぶりに前年比下落(4.9万円、4.0%)したものの、依然高値水準が続いている。

 25年以降のマンション価格がどう推移するかについて見通すのは難しいが、「住宅需要は引き続き堅調だし、建築資材や人件費、用地の取得費上昇も続くため、新築価格が下がる要因は当分見当たらない」というのが大方の見方だ。

 そうした場合、気になるのは購入者側の所得水準との隔たりだ。現状は富裕層やパワーカップルなど一定の高額所得層が需要を支えている様子で、供給者側もなんとか今以上の価格上昇を抑えようとしているのが現状だ。具体的には専有面積を縮小してグロス価格を抑える、設備や内装をシンプルにする、総合モデルルームにするなどのコスト低減策だ。また、一方では供給がダブついて突発的に価格が下がるといったことがないように供給戸数を絞り、何期にも分けて売り出すなどの慎重な構えも見せている。

 購入者側の所得水準との隔たりに加え、気になるのが金利の上昇だ。金利は購入マインドに与えるインパクトが大きいため、今後中期的には住宅価格に最も大きな影響を与えるのが金利動向だと思われる。24年3月に日本銀行がゼロ金利政策を解除し、同年から今年1月にかけて3度の引き上げを行った。それを受けメガバンクが変動型住宅ローン金利の基準となる短期プライムレートを引き上げる動きが始まっている。

長期的には少子化

 今後のマンション市場を長期的に占う場合、「少子化」が外せない。国立社会保障・人口問題研究所の2020年の国勢調査を基にした推計では、マンション購入適齢期となる20代から40代までの人口は24年から50年までに全国で628万人、36%も減少する。1年ごとの減少率はわずか1.4%に過ぎないが、長期にわたって減少し続けるインパクトは見過ごせない。しかも現役世代の国民負担率(所得に占める税+社会保険料の比率)は05年度の35.0%から24年度の45.1%までほぼ一貫して増え続けており、今後も上昇する可能性が高い。そうなると住宅取得能力の低下は避けられない。

 日本初の民間マンションは1956(昭和31)年竣工の「四谷コーポラス」といわれているが、その頃のマンションは高級住宅として高額所得層向けの商品となっていた。もしかしたら今後、再びマンションがそういった富裕層向けの高額商品となっていく時代を迎える恐れもあるのではないか。   (井川弘子)

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