「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ 第68回 米国不動産流通の基盤 NARと倫理綱領
住宅新報 2025年2月18日 号 12面

筆者は先日全米リアルター協会(NAR)の倫理綱領を浅井稔氏という国内随一の講師から学ぶ機会に恵まれた。浅井氏は80年代に米国不動産フランチャイズの日本初の不動産FCチェーンの立ち上げに参画されている。現在のLIXILイーアールエージャパンである。浅井氏はその際に渡米してNARの教育システムで多くを学んだという。その後同社の常務取締役を勤めてすでに退任されている。現在はその英語力を生かした通訳案内業や(一社)日米不動産協力機構の主席研究員の傍ら、国際不動産カレッジでNAR倫理綱領の講師をされている。筆者はその浅井氏の講座をオブザーバーとして聴講する機会を得た。
もちろん、NAR倫理綱領については以前から知っていた。ただ、それは知っているレベルであり、全体像を読んだわけでもなければ十分に理解しているわけでもなかった。しかし、今回浅井氏の講義で少なくとも全体像が理解できた。今回と次週で学んだことの一部を共有しながら筆者なりの分析を加えていきたい。
米国でNARが創立されたのは今から100年以上前の1908年。フォードのモデルTが発売された年である。それまでの米国不動産市場は不動産取引の免許制度も整備されておらず、無価値の土地売買や多重売買などの詐欺行為が横行していたという。そこでこのような混乱を収めるために政府主導ではなく、民間が主導して創立されたのがNARである。






















