住環境の充実化を重視 住宅品質や居住誘導に課題感 国交省・住生活基本計画見直しの検討会
住宅新報 2025年2月4日 号 2面
3委員が政策提言
今回の会合は、「50年を見据えた俯瞰(ふかん)的、全体的な議論」(同省)を図るため、池本洋一臨時委員(リクルートSUUMO編集長)、大月敏雄委員(東京大学大学院教授)、中川雅之臨時委員(日本大学教授)の3人が長期的・総括的な観点からプレゼンテーションを実施。またこれを基に、参加委員らが今後の住宅政策のあり方について意見を交わした。
今回の発表内容や委員らによる意見等を重ね合わせると、中長期的スパンにおける住宅政策の課題感には、ある程度共通の傾向が見られた。比較的目立ったのは、「既存住宅の品質向上と有効活用」「居住地域の環境整備や適切な誘導」といった視点だ。
いずれの視点についても、住生活の充実化を始め、防災・減災、経済成長、住宅価格高騰への対策とアフォーダビリティなど多くの政策に寄与する分野として、複数の委員が言及。同時に、これらの実現へ向け、各行政主体の施策や住宅・不動産市場の構造について、今後望まれる官民の姿勢が提案されていた。
人口減前提の対策を
池本氏は、「整える」と「伸ばす」という2つをキーワードとして、住宅の所在地や品質を始め幅広い項目について考えを述べた。「整える」は、将来的な人口・世帯減少などの観点から、重点的に取り組むべき施策分野を整理した「政策的支援のメリハリ」を提唱する内容。「伸ばす」では、住み替えや既存活用の推進によって住まい手の幸福度上昇と市場の拡大を目指すための考え方を提示した。更に池本氏は、これらの政策の実効性を高めるため、「予算や人材を確保し、国民や業界に広く周知すべき」と説いた。
大月氏は、憲法の保障する国民の権利についての観点で、住宅の数的充足から「住生活の充実」(13条、幸福追求権等)へと考え方を進めるため、国や自治体が目指すべき方向性を提案。居住環境を考える上で「新たに盛り込みたい」項目として、住宅の音環境対策やNIMBY(今週のことば)施設に対する基準明示、自宅価値の把握に向けた「セルフインスペクション」推進等を挙げた。
これらに対し、中川氏は「人口減少下の住宅政策」という個別テーマに焦点を当て、都市人口の推移や高齢者向けサービスの需給バランス変化などのデータを分析。「人口減を見据え、アセットベースの経済体制を整えるべき」との考え方で、国民の資産形成において大きな割合を占める不動産の有効活用へ向けた政策の方向性を示した。
同分科会は2月17日、次回会合を開催する予定。






























