ニュースが分かる! Q&A 2025年は「家じまい元年」 親の意向、早期に確認を
住宅新報 2025年1月14日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A

デスク 2025年、巳年の1年が始まった。年末年始は9連休だったが、のんびりできたかい?
記者 恒例の実家帰省とスポーツのテレビ観戦。長めの休みに気が抜けて、お酒を飲み過ぎてしまいました。ただ、親も高齢ですから家族が集まるいい機会でした。
デスク 実家の将来を考えるタイミングになっただろうか。今年は1947年~49年生まれの「団塊の世代」全員が75歳以上の後期高齢者となる節目の年だね。高齢化が一層進み、75歳以上の人口はおよそ5人に1人。社会保障費の増大や医療・介護の人材不足が懸念され、「2025年問題」とも呼ばれている。
記者 不動産業界も節目となりそうですね。人口減少、高齢化の中で「空き家」や「孤独死」への対応が注目されてきました。実家の相続への対応も待ったなしです。
デスク 「大相続時代」の到来にどのように備えるべきか。買取再販業を行うすむたす(東京都中央区)が60歳以上かつ子供がいる住宅所有者に実施した「家じまいに関する意向調査(N=224)」によると、全体の約7割(152人)が、「住まいや家財の処分方針について、子供や親族と話せていない」と回答した。しかも、うち半数は「現時点では話す必要はない」と考えているという。
記者 それは、「家じまい」に対する親世代の意識が低いということでしょうか。
デスク いや、そうではない。調査では全体の約7割が現在の住まいの処分方針を持ち、「売却」や「親族に住んでもらう」など何かしらの希望があることが分かった。
記者 最近では、実家じまいのリアルな体験談をつづった書籍なども注目されています。身近なテーマになっている印象を受けます。
デスク 同調査では、全体の約7割が「(元気なうちに所有している家財や資産を整理・処分する)生前整理の必要性を感じるが、まだ着手できていない」ことも分かった。現在の住まいが空室になった場合の対応について親子や相続の関係者との間で意思確認が必要だが、「会話のタイミングが難しい」「何から話せばいいか分からない」といった課題もあるようだ。
記者 生前に親と会話することが難しい「家じまい」や「家財の片付け」というテーマですが、残された身内の相続が「争続」となることは望んでいないはずです。
デスク 具体的用途がないまま自宅や実家を放置すると固定資産税や都市計画税のほか、建物の維持管理コストが発生する。相続後3年を経過すれば、3000万円の税額控除が適用されなくなるため、時間的な制約のある中で家じまいをする必要もある。
記者 何から取り組むべきかを整理した情報発信も増えています。会話を始めることが第一歩ですね。
デスク 片付けに関する親とのコミュニケーションの難しさは、LIFULL(東京都千代田区)が遺品整理経験者に行った調査結果でも示されている。それによると、生前に親との話し合いが一切できなかったケースもあり、その最も大きな背景は「想定外の急逝」だ。心臓発作や脳卒中などでの急死によって、「必要なもの、遺しておきたいものが不明だった」「話し合う余裕がなかった」という例も発生している。
記者 「正月の帰省時」「親の健康状態が悪化したとき」など、実家の処分方針や相続について親の意向を聞きやすい機会を生かして、子供側から会話を進めていく意識も重要ですね。話しにくさや問題の先送りを防ぐには何ができるでしょうか。
デスク LIFULLの調査では、親との片付けに関する話し合いの際の工夫で効果があるのは「親の意見や意向を否定しないこと」を挙げている。「親の体力や健康状態を鑑みて、少しずつ話し合うようにした」「他人に譲るなど、捨てる以外の物の処分手段を提示した」といった工夫も紹介している。
記者 親子でも物に対する価値観が異なるでしょうし、そのギャップが際立てば話し合いが難しくなります。心理的な負担感を減らす配慮が、円滑に家じまいを進めていく一歩となりそうですね。
デスク 孝行したいときには親はなし。家じまいに関するコミュニケーションは、親の価値観や生き方を再認識する貴重な時間かもしれない。






















