ひと 街歩きが好き、気に入ると… 一級建築士、「酒場遺産」の執筆者 似内 志朗さん
住宅新報 2024年12月10日 号 2面
連載: ひと

本紙に連載「酒場遺産」を始めて丸2年。これまでに紹介した酒場は60を超える。淡々とした書きぶりながら立地や店構え、店主の人柄、酒、つまみなどが魅力的に紹介され、ふと行ってみたくなるような内容が人気だ。
多くは仕事終わりに一人で行く。ぶらりと街歩きしながら気になる店があればのぞいてみる。その中から「酒場遺産」で取り上げる店を絞り込むが、その条件は「まずは歴史があること、そして比較的小さな店」だ。
その店が持つ〝場〟の固有性に惹(ひ)かれる。雰囲気を醸し出すのは店主や客、提供される酒、食を盛った器、店の内装など。
「気に入った店があると最初はブログで書いていたが、いつのまにかやみつきになって、ストックは100以上もある」
「場」という空間に興味を持つのは建築家としての習性か。
早大建築学科卒業後、一級建築士として建築設計はもちろん、日本郵政の新規事業や不動産開発事業にも携わり、「好きなことをやり切った」との想いから6年前、60歳で退職した。次は何をやろうかと考えたとき、環境や社会に役に立つことをしようと、ベンチャー企業でグリーンビルディング認証を手掛けたりもした。
今は自社のファシリティデザインラボ代表を務めながら、いくつかの企業の社外取締役や大学の客員教授、講師を兼務。「軸はサステナビリティコンサルタント。これからも環境や社会の持続的発展に資する建築関係の仕事をしていきたい」と意気込みを語る。
「店で飲むのではなく、街で飲む。酒場の魅力は6分割。酒、食、建物としての空間と時間(歴史)、亭主の人柄と客の層、そうした唯一無二の場所になぜか飢えている」
趣味は美術鑑賞と読書。北海道生まれ、神奈川育ち。現在66歳。(井川弘子)


























