不動産経済かわら版 (8) 〝賃金と物価の好循環〟の影響 ボルテックス主席研究員 安田 憲治
住宅新報 2024年11月19日 号 4面

25年春闘に向け、連合(日本労働組合総連合会)が賃上げ5%以上を目指す方針を掲げたことは、賃金と物価の好循環を維持し、物価上昇に対応しながら経済成長を促す意義を持つ。過去数年の春闘では、コロナ禍や物価上昇に対処するため賃上げが進み、24年9月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.5%の上昇を示した。生活費の上昇が消費者に負担を強いており、持続的な賃金上昇が求められている。
物価上昇を受け、消費者は「生活防衛」として支出を抑え、価格比較を徹底する「はしご買い」などを行い、まとめ買いから必要最低限の購入にシフトしている。例えば、米の価格上昇に対し、もち麦や十六穀米を混ぜてコストを抑えるなどの工夫が見られる。
一方、企業も価格戦略を工夫し、消費者の購買意欲を維持しようとしている。日用品の値下げや大容量商品、ポイントカードの利用促進により、物価上昇の影響を和らげつつ、消費者の支出をサポートしている。企業には、消費者行動の変化に対応する柔軟さが必要である。






















