不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第24回 木更津・久津間団地跡地の活用 コミュニティ形成に小商い
住宅新報 2024年10月29日 号 7面
私は現在、大学での研究の一環として、千葉県木更津市にある久津間団地跡地の利活用方法を3名の学生と共に検討している。
初めて対象地を訪れた際は、閑散とした印象を受けた。対象地は住宅街の最奥部かつ自衛隊用地に囲まれており、人が入ってきにくい。つまり、利活用を検討する上で、需要の設定が難しい。しかし調査を進めると、対象地の近くには幼稚園があり、この地域には別の地域に住む親子が集まってくることがわかった。そこで私達はこのことに着目し、計画を練ることにした。
検討した結果、対象地を小商いスペースのある公園にすることを考案した。対象地周辺の空き家を整備して賃貸住宅にする。そこを借りる人に対象地の小商いスペースの使用権利を付与する。対象地には小商いスペースの他、コミュニティ施設を併設し、地域交流のための場にする。こうすることで、対象地だけでなく対象地周辺の空き家も活用できる。
なぜ小商いなのか。それは対象地周辺の住宅街に、若い世帯が入りやすくするためである。対象地は高齢者が多い古い住宅街にある。そのため地域コミュニティの衰退が危惧されている。この住宅街を活性化させるためには、若い世帯の転入を促し、若い世帯に街を引き継ぐ仕組みが必要である。
対象地で小商いを行うことで、小商いを行う者同士の輪が生まれる。次に、幼稚園に訪れる親子がそこを利用することで、その交流は地域外に広がっていく。地域外の親子がこの地域に魅力を感じれば、若い世帯が集まる地域に変わっていく。そして集まってきた若い世帯が新たな小商いを行い新たな魅力を創出する。このような循環する仕組みづくりが私たちの計画である。
不動産は本来、人が使ってはじめて輝くものである。地域を活性化させるためには、その地域の需要を見つけ、人を集め、地域と周辺の人々を結ぶ仕組みづくりが必要である。今回の取り組みで、この仕組みづくりの重要性を強く実感した。こういった仕組みを検討できることが、不動産学の魅力といえる。
【教員コメント】 衰退した街の活性化を考えるとき、その街にある需要の検討は必須といえる。しかし、その需要が一過性のものであると、一度は活性化してもすぐに衰退してしまう。これに対して川口さんの提案は、需要と人とが循環する仕組みになっているところが面白い。人を集めるだけでなく、人が循環する仕組みがこれからの街には必要である。(藤木亮介)

























